野党共闘で斎藤が大岡を猛追!!前回投票率の55%が分岐点か
斎藤候補
●共産、斎藤支援指示
19日公示の衆院選も31日には投票日を迎える。今回の選挙の風景を一変させたのは、滋賀で野党共闘を呼びかける市民グループ「市民の会しが」が15日、立憲民主党、共産党、社民党、国民民主党の4野党の県組織代表、4立候補者予定者(当時)とそれぞれ政策協定を結んだことだ。調印後の会見で、共産党県委員会の石黒良治委員長は、3区の共産・佐藤耕平だけでなく、1区、2区、4区の各候補者を全面的に支援すると述べた。国民が中央では共産と距離を置いても、石黒委員長は1区党員に斎藤支援の指示を出したことで、斎藤が大岡を猛追できる状況をつくり出した。
国民の玉木雄一郎代表は1日、近畿で最重点区の滋賀1区に駆けつけ、県庁で会見して「滋賀で野党勢力が盛り返さないと、日本の野党勢力が盛り返せない」と真顔で訴えた。
河井昭成選対本部長は「無党派層の支持率が与党より野党の方に広がってきた。懸念される投票率が前回の約55%を切り、54%から53%まで落ち込むと厳しいが、56%以上なら勝つ公算が高く、最悪でも比例復活はできる」と目を光らせる。
大岡候補
●高島市に不安材料
「これじゃ二枚舌だ」と大岡は語気を強めた。
中央では9月、市民連合と立民、共産、社民、れいわ新選組の4党が政策協定を結び、野党共闘が広がった。
滋賀では市民団体と、共産と距離を置く国民、立民、共産、社民の4党が政策協定を締結するなど、中央と地方で立ち位置が違うと批判したのだ。
元衆院副議長の川端達夫、元県知事の嘉田由紀子(現・参院議員)を連破した大岡でも野党共闘を脅威に感じているのだ。前回(表参照)の衆院選も、野党が一本化していたら負けていたからだ。
もう一つの懸念は、岸田内閣発足で環境副大臣に就任したため、公務で地元を空けることだった。このため大岡は選対本部主導の組織体制に切り替えた。
その選対の目片信悟本部長は「コロナ禍で支持者との関係が希薄なだけに、大津市に約2300人、高島市に約600人いるコアな党員・党友の押えに努めた」と公明とともに固定票を掘り起こす。
大津市議は「事実上、大岡と斎藤の一騎打ちだが、接戦で斎藤が比例復活することがないよう今回は圧勝するしかない。また市議会がごたごたした高島市が気がかり」と警戒する。
日高候補
●スクランブル放送へ
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(略称NHK党)の日高は、NHKのスクランブル放送実現を目指し政見放送やツイッターで訴える。〈文中敬称略〉(石川政実)
2区 彦根市・長浜市・米原市・東近江市の旧愛東町と旧湖東町・愛知郡・犬上郡
与野党一騎打ち
浮動票がカギ
上野賢一郎氏(自前)
田島一成氏(立元)
自民前職の上野賢一郎氏(56)=4期=と立憲民主元職の田島一成氏(59)=4期=の与野党一騎打ちの構図となる。自公連携の上野氏に対して田島氏は野党統一候補。接戦が予想される中、無党派層の支持拡大に向け奔走する。
上野氏は4期の中で財務副大臣や党副幹事長など重要ポストを歴任してきた。インフラ整備や治水対策などの実績が組織以外の支持につながり、同区初当選した2012年に比べ後援会の数も着実に増やすなど湖北を中心に地盤は固い。長浜と彦根での出陣式でも地元県市議をはじめ区内市町の首長らが参列するなど組織の大きさをアピール。継続したコロナ対策や経済政策などを訴える。
元環境副大臣の経歴を持つ田島氏。4野党統一候補として返り咲きを目指す。彦根を中心に地盤を固めるほか、今選挙に向けて野党共闘の連携にも尽力してきた。立憲民主県連代表に就任するなど党の足固めも。県選出の嘉田由紀子参院議員(元知事)が応援に駆けつけるなど統一候補として信頼を集め、無党派層への支持も呼びかける。演説や集会では医療関係への補償や当面の消費税減税など声を上げる。(古澤和也)
3区 草津市・栗東市・守山市・野洲市
自民堅調も維新に強い追い風
共産、れいわは票の奪い合いか
高井崇志氏(れ前)
佐藤耕平氏(共新)
武村展英氏(自前)
直山仁氏(維新)
れいわ前職の高井崇志氏(52)=3期=、共産新人の佐藤耕平氏(39)、自民前職の武村展英氏(49)=3期=、維新新人の直山仁氏(49)の4候補がせめぎ合う。各候補、JR駅などを基点に街頭車を回し、小刻みにスポット演説を実施、自公政権の功罪を問う論戦を繰り広げている。
高井氏は、国会で最も長く質問に立ち、多くの議員立法に携わってきた実績を元に「即戦力として地域の声を届けられる」と訴える。選対はれいわ支持者らが全面的にサポート、街頭演説では「野党を生まれ変わらせ、頼れる存在にする」と発信し、若手を中心に無党派層の関心を集める。立民支持層の一部からの得票も見込まれるが、地の利が弱く、苦戦を強いられている。
佐藤氏は、「何よりも命を守る政治」を訴え、各地区で演説会を開催。共産党と市民の会支持層からの支持を堅固にし、公示前より支援の輪を広げている。一方、共闘体制をとっている立民支持層の一部が他党へ流れる動きもあり、改めて市民と野党共闘による政権交代を前面に出し、小池晃党中央委員会書記局長や嘉田由紀子参院議員らの応援の声を受けながら党勢拡大に力を込める。
武村氏は、地元の支援者や支持団体へのあいさつ回りを早めに終え、選対事務所には為書きや推薦書がずらりと並ぶ。自公支持層を堅固にしつつ、街宣ではコロナ対策として屋内での個人演説会をほぼ封印、街宣車で回りながら細かくスポット演説を実施し、経済対策や環境問題への政策を発信している。河野太郎氏や菅義偉・前総理も応援に駆けつけ、存在感を見せつけた。
直山氏は、街宣活動でエリア内を回りながら、日に2~3回はJR駅前で経済対策として「大阪で成功した改革を滋賀でもし、全国へ広げていきましょう」と呼びかける。特に大阪からの移住者や大阪への通勤者から賛同・応援する声が多く、無党派層に着実に浸透している。吉村洋文大阪府知事ら党幹部も3区入りして応援演説を展開、全国的な維新の追い風に拍車をかける。(羽原仁志)
4区 旧愛東町と旧湖東町除く東近江市・近江八幡市・甲賀市・湖南市・日野町・竜王町
底力の自民前職か
共闘の立民新人か
徳永久志氏(立新)
小寺裕雄氏(自前)
与野党一騎打ちで、立憲民主新人の徳永久志氏(58)と再選をめざす自民前職の小寺裕雄氏(61)=1期=が激しく競り合う。
徳永氏は、選挙カーを走らせながら、コロナ対策で時限的な消費減税や持続化給付金復活などを1日5―6カ所の街頭演説で訴えるほか、夜間は辻立ちを各地の幹線道路沿いで連日行い、無党派層への浸透に懸命。
支援する野党共闘の象徴・嘉田参院議員は政党カーで郡部に入り込み、独自の動きで票を掘り起こす。連携する共産は、組織内で徳永支持を徹底。28日夜には、500人集会を近江八幡駅南口で開催し、この勢いで最終盤へ突っ走る。
小寺氏は、保守層を固めており、さらなる票の上積みで前職の底力を見せるか。選挙戦折り返しの週末は、市部を中心に回った。23日には知名度の高い河野太郎広報本部長が入り、終盤に向けて引き締めを図った。
夜は連日、1日1―3会場で個人演説会を開き、地元首長と連動した地域づくりを掲げ、日野川河川改修や名神名阪連絡道路整備促進、近江牛などの特産品振興などを訴える。公明も甲賀、近江八幡で演説会を開き、党を挙げて支援する。(高山周治)










