安心安全な登山を楽しむために
【全県】 新型コロナウイルス感染症の影響で行楽やスポーツを楽しむにも制限がかかる中、「密を避けられる」として登山の人気が高まっている。一方、経験の少ない“にわか登山客”や個人登山者などによる山岳遭難も増え、県内では死亡事故も発生している。県や市町、民間団体などで作る県山岳遭難防止対策協議会では「県内の安心安全な登山」への呼びかけを強めている。(羽原仁志)
コロナ禍で経験の少ない登山者の遭難増
県内の山の楽しみ方をリーフレットで発信
県警の「令和2年度山岳遭難白書」によると、昨年、県内で発生した山岳遭難は79件。遭難者の総数は84人でその内、死者8人、行方不明2人、重傷者18人、軽傷者21人だった(表参照)。また、過去10年間の山岳遭難件数と比べても昨年は、2018年の85件に次ぐ2番目の多さだった。
同協議会事務局長の竹村喜一郎さんは「経験のほぼない初心者が無計画に山に入るケースが増えている」と指摘する。全国的には山岳遭難の発生件数が減少している中、滋賀県内では増加しており、登山届を出さず、一人で入山し、道に迷う人が多くなっているという。
竹村さんは「山岳遭難の40%以上が自分の位置が分からなくなる『道迷い』。60歳代以上の『道迷い』が多く、そこから『滑落・転落』につながることがあるのは以前と同様だが、最近、顕著に増えてきているのは40~50歳代の『道迷い』だ」と述べる。
同協議会では、安全登山啓発活動としてこれまで救助訓練講習会や登山届指導会、登山届の作成などに取り組んでおり、このほど、県と協力して新たにリーフレット「安心&安全 滋賀県の山 マップ&チェックブック」を作成した。
同リーフレットでは登山のルール・マナーとして(1)低い山(日帰り登山)でも登山は計画的に(2)最新の天気情報を確認しましょう(3)単独登山はやめましょう(4)ゴミは必ず持ち帰りましょう(5)道は譲りあう気持ちが大切(6)おしゃべりは控えめに―の6点を掲げ、装備と持ち物のチェックリスト、登山届を提出する大切さなどを分かりやすく掲載、さらに、同協議会メンバーらが選定した初心者でも楽しめる県内10座の山を紹介している。
同リーフレットは5万部作成。A3四つ折りで、県内トレイル団体、県内各市町、観光協会、道の駅などに配布されている。また、安全啓発ポスターを県内警察署や登山口などに配布したほか、ホイッスルやレスキューシートなどの啓発グッズの配布も行っている。
竹村さんは「これからの季節は日没が思ったより早くなるなど、山岳遭難の発生が多くなる」とし「1件でも山岳遭難を減らすためにしっかり対策を」と注意喚起している。







