医療機関との信頼と前向きな気持ちが大事
【大津】 100歳で新型コロナウイルス感染症にり患するも、回復した大津市の伊東綾子さんがこのほど担当医師と共に県危機管理センター(大津市京町4)を訪れ、記者団に治療中や回復後の思いを語った。
伊東さんは、1920年(大正9年)生まれ。これまで大きな病気などなく過ごしてきたが、今年1月10日、同感染症陽性と判明し、近江八幡市土田町の市立総合医療センターのコロナ病床に入院した。入院当初は少し咳が出る程度の軽症だったが、3日後に38度の発熱、血中酸素濃度も低下し中等症に状態悪化した。その後、一時は倦怠感や食欲不振なども見られたが、同センター医療従事者らによる懸命な治療により回復し、2月5日に退院した。
伊東さんは「入院した時はだるさや痛さなどは何も感じていなかった」と述べる。当時の気持ちとして伊東さんは「百年生きてコロナにかかるくやしさに負けてなるかとわれに鞭うつ」と歌を詠んでいる。「とにかく先生を絶対信頼してお任せしようと思った。乗り越えられた理由はそれが第一。あと、家族からのテレビ電話が支えてくれた」と振り返る。
伊東さんの治療を担当した同センターの山口琢医師は「伊東さんは院内のスタッフ全員と積極的にコミュニケーションをとろうとしてくれた。治療中、スタッフは防護服を着用するため、目しか見えない。そんな中、伊東さんは担当看護師一人ずつの名前を覚えて呼びかけてくれ、スタッフの元気になった」と述べる。
記者団から、「闘病を乗り越えたことで、県民に伝えたいことは」と質問された伊東さんは「自分もまさかコロナにかかるとは思っていなかった。ちょっとしたすきま風がスッと入ってくるとかかるのかもしれない。日頃の感染症予防が大切だと思った」と述べた。また、山口医師は「『一行為一手洗い』くらいの意識で、少しでも感染リスクのある時は手洗いをしてほしい」とし、「また、治療するとなっても、伊東さんのように前を向いて考えることが重要だと思う」と語った。
退院後も伊東さんは絵手紙を山口医師や担当看護師らに贈ったり、趣味のデッサンを手がけたりと日々を過ごしている。「今後やりたいことより、今を楽しく過ごすことを大切にしている。まだ健康で過ごせそう」と笑顔を見せた。






