滋賀大学名誉教授が近江古代史の謎を解き明かす
【大津】 滋賀大学名誉教授で文学博士の小笠原好彦氏(大津市南郷6)がこのほど、古代の近江に営まれた3つの都の実態解明に取り組んだ著書「古代近江の三都 大津宮・紫香楽宮(甲賀宮)・保良宮の謎を解く」(サンライズ出版)を出版した。
小笠原名誉教授は、日本古代史などを専門としている。今回、出版された「古代近江の三都」では、7世紀の大津宮(大津市)、8世紀の紫香楽宮(甲賀市)・保良宮(ほらのみや、大津市)という、いずれも重要な役割を果たしながら長い間謎に包まれてきた三都の実像に迫っている。
同書は2部構成で、第1部「古代近江の三都を探訪する」は2019年1月から12月まで新聞紙面上で連載されたものを推敲し、新たに図面を追加した。第2部「古代近江の三都を論ずる」は、一部発表済みの論文に最新の研究結果などを反映させた書き下ろしを加えて再構成した。
同書によると、飛鳥(奈良県)から「大津宮」への遷都は「国家防衛と再建の側面を持っていた」とし、再び都が飛鳥へ戻された経緯もたどりながら、その実像を浮き彫りにしていく。また、紫香楽宮が聖武天皇による大仏造立と深い関わりを持つことや、保良宮が瀬田川付近に営まれたとされる理由などについても分かりやすく解き明かしている。
出版に当たり、県庁で記者会見を開いた小笠原名誉教授は「これまで不明とされてきた保良宮の場所を初めて定めた」と述べ、「敗戦や感染症拡大などで社会が混乱した際に遷都されたこともあり、現代的視点でも多くの人に読んでもらえれば」と期待を語った。
同書は四六判、全274ページ。定価2376円(税込み)で、県内の主な書店やインターネット書店などで販売している。書籍に関する問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。






