たばこ税に関する企業資金貸付問題
【栗東】 栗東市は、たばこ税に関連する企業貸付金の未回収問題について、「過去の経緯も含んだ十分な調査・検証を行い、市民への説明責任を果たす」との方針を改めて示した。
開催中の今年度市議会6月定例会本会議で田村隆光議員(栗東市民ネットワーク)が行った個人質問で、「貸付金の元金は税金であり、それが回収できないと市民の不安や不信感につながる。行政の責任は」との質問への答弁として宇野茂樹・総務部長が発言した。
栗東市が町制時代の2000年に税収増を見込んで企業事業資金貸付条例を制定し、10年間で各50億円以上を納税するという特約付きで4社に上限5億円の資金貸付を行ったが、現在でも各契約が完全に履行されていないことは本紙既報の通り。
特に、貸し付けた企業のうち2社は、貸付金合計10億円のうち担保の1億円以外の全額が未回収で、遅延損害金も今月現在で8億7806万円となっていることに加え、市が行った債権者による債務者破産申立ての裁判費用として834万8千円が追加でかかっていることは、市議会でも繰り返し問題視されている。
同定例会では田村議員が「債務者が財産処分するのに十分な時間があったのでは」と質問すると、市は「2011年に請求訴訟を提訴した時点において、すでにめぼしい財産は市としても確認できていなかった」と説明、これに対し、田村議員が「18年10月頃、破産申立てを行うため当局から議会の会派別に『債務者には年商100億円の関連企業があり、連帯保証人も兵庫県宝塚市に億を超える豪邸を構えている』と説明があり、それを信じて会派でも賛成したわけだが、その時点ですでに市は『めぼしい財産は確認できない』と認識していたということか」と問い直したが、市は明確な答弁を避ける場面もあった。
田村議員は「最悪のシナリオも考えておかなければならない。議会も市民に説明するため調査権を行使する」と述べている。
野村昌弘市長は「貸したものは返してもらうという姿勢は変わらない」とし、「道筋が見えてきた段階で、議会の皆さんと共に十分な検証を行い、市民の皆さん方に説明責任を果たすことが、今、市長を預かっている私としての最大の責務だ」と述べている。
本来なら、今月10日に市側と債務者側、破産管財人、裁判所が集って決着に向けて話し合われるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した裁判所の判断により、話し合いの場は9月16日に延期されている。これまでの市の対応が正しかったかの検証はそれ以降となる見込み。
同個人質問を議場で傍聴した同市選出県議の九里学氏(チームしが)は「市行政と市議会に、まさに今、地方自治の本目であるべき住民に対しての透明性と説明責任の重要性が問われている」と述べている。(羽原仁志)






