小西陣営 恐れた佐藤陣営の反撃!?
【大津】 大津市長選の大きな謎は、市の前働き方改革監で人事課長も務めた小西元昭氏(当時、市長選候補者)陣営が昨年12月上旬に各メディアが報じた佐藤健司大津市長(同)の「迂回献金疑惑」に対し、なぜ大々的なネガティブキャンペーンをやらなかったか―である。
確かに自民党瀬田東支部の支部長でもあった佐藤氏が「法的に何ら問題はない」と答えたように、政治資金規正法に基づき、収支報告書の提出などの手続きをきちんと踏んでおり、刑事告発ができるような案件ではなかったかもしれない。しかし、メディアが報じた疑惑を選挙の最大の争点には出来たはずだ。
市幹部は「出来なかったんですよ。小西陣営がそれをすれば、逆に佐藤陣営から、いま裁判になっている市の公文書隠ぺい疑惑問題の追及を受けるからです」と眉をひそめた。
そもそも公文書問題の発端は、市の女性職員A氏(現在は退職)が男性職員B氏と他1人を強制わいせつの疑いで刑事告訴した2012年までさかのぼる。
翌13年3月、市の人事異動内示を不服としたA氏親子が右翼団体関係者を名乗る部外者らとともに来庁し、市長への直訴を要求した。この時、部外者は声を荒げ、机を叩くなどをしている。その後、市の対応をまとめた10数枚の文書が作成され、越直美市長(当時)にも共有された。
同年12月、B氏が同文書類の情報公開を市に求めたが、市は当該文書の存否すら明らかにしなかった。14年2月、強制わいせつの裁判でA氏の供述の信用性が低いとしてB氏は無罪となった。
●市は「問題なかった」
B氏は15年4月、情報公開を求めて市を大津地裁に提訴した。この裁判で市は敗訴し16年に控訴、上告、17年に上告が棄却され敗訴が確定した。これを受け、市は公文書公開を行うが、概略をまとめたA4用紙1枚のみだった。市は後の記者会見で「(当該公文書は)保管期限の1年が過ぎ、報告書も作ったので、適切に破棄した。隠ぺいではない」と言い張っている。
18年1月、市によって精神的苦痛を与えられたとし、B氏が市を相手取り、損害賠償請求を大津地裁に提訴した。
そして昨年6月、市情報公開・個人情報保護審査会が市へ答申し、「10年間保存が相当とされる公文書を1年で破棄は合理性に乏しい。遺憾だ」と市の対応を厳しく非難した。しかし9月、越市長は市議会で八田憲児議員(新和会幹事長)からの公文書管理に関する質問に対し「問題なかった」と応じ、答申を無視する方針をとった。
その後の定例記者会見でも「審査会の意見はあくまで意見」とし、「裁判の中で市の主張をしっかりしていく」と強弁を繰り返した。
ちなみに同年11月に行われた同裁判の証人尋問では、小西氏が市の代表として答弁しており、公文書問題では市の中心人物だったことがうかがえる。
越市長の責任が問われる公文書隠ぺい疑惑にかかる国賠訴訟の判決は、この17日に迫っている。
(石川政実・羽原仁志)






