瀬田東支部迂回献金疑惑(下) 「市民の会しが」斎藤代表に聞く
【大津】 昨年12月上旬、各メディアは佐藤健司市長(当時、市長選予定候補者)が代表を務めた「自民党瀬田東支部」の迂回献金疑惑を報道した。しかし今年1月の市長選では共産党と社民党が自主投票にしたため、革新系の市民団体の動きは鈍かった。そんな中、告示後の13日、迂回献金疑惑に対する見解を表明しメールで拡散させた、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」の斎藤敏康代表(立命館大学特任教授)に同問題の本質を聞いた。(石川政実)
―2015年4月12日投票の県議選前に、「自民党瀬田東支部」へ2社から寄付があった。1社は大津市の産廃業者で14年12月に200万円、もう1社は同市の建設会社で15年1月に24万円を寄付した。同支部は同年4月3日告示日に、これらの企業献金等の中から150万円を佐藤氏の選挙資金として寄付して、迂回献金疑惑を持たれたわけだが。
斎藤 「瀬田東支部」から佐藤氏への寄付は、支部の規約で定めている支部総会を開かずに佐藤氏と市議が協議し、佐藤氏が支部長として「公認候補を当選させる」ため自身への寄付を決めたという。問題なのは支部組織としての透明性が担保されなかったことだ。
―仮に迂回献金なら、どんな問題があるか。
斎藤 候補者個人への企業献金を禁止している政治資金規正法に抵触する。さらに問題なのは先の建設業者の企業献金だ。県土木交通部管理課の「落札結果一覧」によれば、この建設会社が14年8月と9月にわたって合計2億3千万円をこえる大津市内の工事を落札し、寄付時に県と契約関係にあった。公職選挙法では、県と契約関係にある業者による選挙(県議選)への寄付を禁じており、同法に抵触するおそれがある。
市長になった佐藤氏は今後、政治とカネの問題にどう処するか市民への説明責任をはたすべきだ。また瀬田東支部問題から、自民党の地域支部の組織的な矛盾も明らかになった。
―組織的な矛盾とは。
斎藤 1994年に衆院選挙で小選挙区制導入を機に政治資金規正法も大幅な改正が行われ、企業献金が受けられる支部は(1)市町村単位で1以上(2)衆院選などの選挙区単位―に限定された。市町村単位で各1つだけを代表支部と認めたのだ。
ところが大津市の自民党支部の場合、学区単位に24支部があり、それぞれが瀬田東支部なり、膳所支部なりと名乗りながら、党本部発行の支部証明書ではいずれも「大津市を単位」とする支部とされたので、24支部それぞれが企業献金を受け取り、使途を決めることができることになった。これではガバナンス(統治)が働かない。
やはり政治資金規正法に基づき資金の流れを透明化するためには、24支部を統括する上部組織が必要ではないか。このことは同党の他の地域支部にも当てはまる。
また20日付の連載(本紙)で、総務省は、政党が発行する「支部証明書」で市・町・村を単位としているなら(設立届の活動区域がどうであれ)問題がない旨のコメントをしているが、これでは現場を見ない形式的判断だと言わざるを得ない。






