自民 地域支部の2重構造が温床に!?
【大津】 佐藤健司大津市長にとって、先の大津市長選での唯一の危機は、昨年12月に各紙で報じられた「迂回献金疑惑」だった。
2015年4月12日投票の県議選前に、佐藤氏(当時県議で候補者)が代表を務めた「自民党瀬田東支部」へ2社から寄付があった。1社は大津市の産廃業者で14年12月に200万円、もう1社は同市の建設会社で15年1月に24万円を献金した。
瀬田東支部は同年4月3日、これらの企業献金などから150万円を佐藤氏に寄付した。
政治資金規正法は候補者個人への企業献金を禁止しているため、企業が「瀬田東支部」への献金という形を取り、佐藤氏の選挙資金へ迂回させたのではとの疑いを生んだ。
●歪む政治資金規正法
同規正法では、企業献金を受けられる政党の支部は(1)市町村単位で1以上(2)衆院選などの選挙区単位―と定めている。つまり政党の支部は、主たる活動区域が市町村単位なのだ。この点だけを見れば、市の1部を主たる活動区域としていた地域支部の瀬田東支部は献金を受けられないことになる。
ところが総務省政治資金課は「政党の支部は、設立届に記載されている主たる活動区域でなく、設立届の添付書類である『支部証明書』(政党などが発行)で市町村の区域を単位として設けられている支部であるか否かで判断される」と説明する。
1992年に設立された瀬田東支部。94年に小選挙区制導入で同支部は設立届や支部証明書などを県選管に再提出している。この時の支部証明書(写真)は、主たる活動区域が「大津市瀬田東地区」なのに、「大津市を単位とする」支部になるなど、矛盾している。自民党本部が、地域支部をその所在地の「市・町・村」を活動区域とする支部と認めれば、どのような地域支部も企業献金が受けられる2重構造なのだ。
●24支部もある大津市
ところで大津市内には、瀬田東、膳所といった各学区を名称にした地域支部が24もある。
自民党県連によれば、いずれの支部証明書も「大津市を単位とする支部」となっている。
自民党の衆院議員で滋賀県第1選挙区(大津市・高島市)支部長の大岡敏孝氏は「党本部によると、他県では合併した市町村でも『1つの市に1つの支部』に集約を進めている。今回の件でも、大津市全域を活動区域とする支部が24もあるのはおかしいとの指摘を受けている。政治資金の透明性を確保しつつ、地域支部の独立性や独自性を大切にする形にできないか、党本部と協議している」と語る。
県内自治体は、13市6町である。これに対し自民党県連の地域支部は約110にのぼり、大津市と同様の問題を抱えている。地域支部の2重構造が迂回献金の温床になるだけに、決して対岸の火事ではないのだ。(石川政実)






