越市政への評価で真っ向対立
【大津】 12日告示、19日投開票となる大津市長選に向け、滋賀報知新聞では無所属で立候補を表明している佐藤健司氏(46)と小西元昭氏(50)の新人両者にアンケートを行った。順不同。文中敬称略。(羽原仁志)
佐藤「数字だけにとらわれた行革だった」
小西「人口減少の抑制にもつながった」
―大津市政への展望は。
佐藤 「夢あふれるまち、大津」を目指して、市民の皆さんの声をしっかりと聞き、それぞれの地域が輝く市民が主役のまちづくりを進めます。
大津市は、豊かな自然環境や歴史あるまちであり、京阪神へのアクセスも良いなど、そのポテンシャルは非常に高く、教育や医療、介護、暮らしを支える仕組みをさらに充実させることで市民の満足度を高めるとともに、MICEの誘致やスポーツや文化を通じた新たな活力や魅力の創出を図っていきます。
小西 少子高齢、人口減少の時代を迎えても、大津市に住み続けたい、住みたいと思えるまちづくりを進めます。そのため、子育て中のお父さん、お母さん、老々介護に悩まれている高齢者、そして障がいのある方たち等にとって安心できるまちづくりを、また災害や交通事故などから市民を守る安全で丈夫なまちを目指します。
―越市政への評価は。
佐藤 否定的に評価。
中学校給食の導入などは評価できますが、財政支出の削減を優先するあまり、教育環境の充実や道路等の社会資本整備、防災対策が進んでいません。議論が不十分なままに市長のトップダウンによって打ち出される施策が多く、議会や市民への情報公開が不足し、軋轢(あつれき)が生じました。また、必要な行財政改革ではあっても、市民生活への影響や対策についての検討がないために、数字だけにとらわれた改革となってしまったと考えます。
小西 好意的に評価。
待機児童ゼロなどの子育て支援策や中学校給食の開始、英語教育への取り組みなどに大きな成果を残され、フルタイムで働く子育て世代の女性の割合が増加するなど女性活躍社会の実現や人口減少の抑制にもつながったものと評価します。一方で強いリーダーシップによるトップダウン式には批判もあり、対話重視による政策実現を目指します。
―市立市民病院をどのように再建していくか。
佐藤 市民が安心して暮らしていくためにも市民病院の立て直しは、重要な課題です。
まずは、独立行政法人への移行時とその後の運営に、不十分な財政措置しか取らなかったために債務超過に陥っている法人の財務状況を見極めるとともに、病院経営に精通している人材の活用を検討します。その上で、県や京都府立医大、京大、滋賀医大の3大学と連携して医師確保を図るとともに、病院の将来像を議論し、これ以上の医療水準の低下を防ぎます。
小西 市民病院は基幹病院としての役割を果たせるように、財政的なテコ入れを行います。あわせて他の病院との医療連携を進めて不足している機能の回復に努めます。
―コミセンについて。
佐藤 コミュニティセンターに移行するか公民館のまま存続するかを選択できる内容となりましたが、実際には市民の理解がほとんど深まっていないと感じています。現状においても社会教育、生涯教育の重要性は変わっておらず、今後は、それぞれの地域が、公民館のまま存続することも含めて自主的な取り組みを進める中で必要な支援を行っていくべきだと考えます。
小西 市の意向は社会教育法で制約のある公民館を、地域の事情に応じて住民がより自由に使えるようにすることで、地域の拠点として活用の幅を広げようとするものでした。しかし、一方ではこれまで公民館が社会教育に果たしてきた役割を放棄するものとの意見も多数あります。コミセン化して法の制限をはずすか、公民館としての役割を維持していくかは、各地域で自由に選択できるのが最も良い方法かと考えます。ただし、コミセン化しても社会教育活動に対する一定の補助はこれまで通り続けます。
―支所再編について。
佐藤 拙速に支所を統廃合することには反対です。支所機能のあり方の検討については、現在の方針を抜本的に見直すべきだと考えます。将来的に地域における行政サービスのあり方を検討する必要はあると思いますが、一方、災害が頻発する中で、支所の防災機能の充実が求められています。いずれにしても市民生活や地域コミュニティに大きな影響を及ぼすことから、地域の実情を踏まえた上で十分、検討していきたい。
小西 市民に最も近い役所であり、また災害時の避難や救援情報の拠点としても大切な行政機関として、存続の方向で機能拡充も含めた見直しを行います。一方で支所の再編は財政改革の上で避けて通れないという議論もありますが、市民が負担しなければならない経費や市民の不安の増大を考えれば、必ずしも無駄なものとは言えないと考えます。
―百貨店撤退について。
佐藤 撤退は経営判断の中で決定されたことでやむを得ないと考えますが、今後のまちの活性化について、官民挙げて検討する必要があります。特に、なぎさ公園周辺については、なぎさ公園魅力向上プロジェクトとして、企業や経済団体と連携し、スポーツを通じた新たな賑わいづくりを進めるとともに、滋賀の文化財の魅力が体感できる琵琶湖文化館の後継施設の誘致を図っていきます。
小西 かつて郊外への大型商業施設の進出で、中心市街地の空洞化やシャッター商店街という事態が起こったこともありました。しかしながら一方では、中心市街地の空き家や空き店舗を活用したビジネスも生まれており、それらを活用した商業振興策や湖岸の立地を生かした会議観光の促進などによりふたたび、市街地ににぎわいの場を復活させるようにいたします。
―人口減少・少子高齢化への対策は。
佐藤 日常生活において交通手段に困っている世帯が多いのは、大きな課題だと認識しています。デマンドタクシーやコミュニティバスの運行などを持続可能な仕組みにするために費用対効果を含めた検討が不可欠です。定額制サービスの導入の検討など国の動向も見据えながら、地域の実情や市民のニーズを把握し、取り組みを進めていきます。
小西 交通事業者の協力を得て、デマンドバスや自動運転の実現をはかり、山間部やニュータウンにお住まいの方の交通の便を改善するとともに、地域カーシェアリングの普及促進をはかります。
―保育・教育について。
佐藤 保育利用率の上昇は今後も見込まれるものの、保育園については一定、充足してきたと考えており、立地条件等を考慮せず量の整備のみを追求してきた方針を転換し、保育の質の向上に主眼を置いた取り組みを進めます。さらに、交通安全対策も講じていきますが、ハード整備には財政的、技術的に制約があり、警察と連携して車の運転者の啓発、取締りを強化するとともに、キッズガードなどのソフト対策の充実を図ります。
小西 待機児童ゼロの目標を達成しつつ、保育の質の向上を図ることが大切な課題と認識しています。国や県などとも連携して、施設の充実と共に保育士や幼稚園教諭の待遇改善など保育の質の向上に努めます。
―庁内のコミュニケーションについて。
佐藤 市民だけでなく職員とも満足な議論がないままに市長のトップダウンによって打ち出される施策が多く、市民の声に向き合っている職員の意見や提案が施策に反映されていないことは大きな問題です。現場主義を徹底して、市民が主役、市民が起点の政策立案を進めることで職員の力とやる気を引き出していきたい。また、国民スポ・障スポなどを見据え、人員体制の整備を図る必要もあると考えています。
小西 積極的に職員との対話に努め、給与条件や人員配置について再検討し、信頼関係を取り戻せるように努めます。またこれまでの昇任制度の見直しを実現します。






