琵琶湖博物館の川瀬成吾・特別研究員の研究で
◇草津
まだ学名の付いていなかった「ウシモツゴ」が五十二年越しに県立琵琶湖博物館(草津市)の川瀬成吾特別研究員の研究によって、シュードラスボラ・プグナックス(Pseudorasbora pugnax)として新種記載された。
ウシモツゴは濃尾平野に分布する日本固有のコイ科魚類で、伝統的な水田や水路、ため池などに生息していた。
しかし圃(ほ)場整備や都市化による生息地の消失、外来魚の侵入などの影響で激減し、環境省レッドデ―タブック(昨年)で絶滅危惧種(IA類)に指定されている。
ウシモツゴはコイ科で、全長がオスは六~七センチ、メスが五~六センチ。愛知県、岐阜県、三重県などに生息する。雑食性で、藻類、底生動物などを食べる。
産卵期は、三月下旬から七月上旬、石や木の枝など固い産卵基質を中心にオスが縄張りを持ち、メスを誘って産卵が行われる。オスは、卵がふ化するまで世話をする。
ウツモツゴは五十二年間、近縁であるシナイモツゴとされていた。
これは、シナイモツゴに酷似し、成長に伴い体側の黒色縦帯が不明瞭になることだけで区別されていたことによるものだ。
しかし、両者は、側線鱗数や頭部側線系などの形態的な違い、ミトコンドリアDNAなどの遺伝的な違いに加え、日本の生物相形成に重要な役割を果たしたフォッサマグナ(中央地溝帯)をはさんで分布していることから、今回、別種と判断された。
琵琶湖博物館では「これまでウシモツゴには学名がなかったことから、保全対象として正式に認められず、保全活動に支障をきたしていた。しかし、今回の命名により、その存在が明確になったため保護活動の進展が期待される。本種は、当館の水族展示でみることができる」としている。







