春季特別展「バーネット・ニューマン 十字架の道行き」春季企画展「曽我蕭白『富士三保図屏風』と日本美術の愉悦」
◇甲賀
ミホ・ミュージアム(甲賀市信楽町)は十四日から、春季特別展「バーネット・ニューマン 十字架の道行き」と春季企画展「曽我蕭白『富士三保図屏風』と日本美術の愉悦」を同時開催する。いずれも六月七日まで。
二十世紀を代表するアメリカ抽象表現主義の巨匠を特集する「バーネット・ニューマン 十字架の道行き」は、ニューマン(一九〇五~七〇年)後期の連作「十字架の道行き」など十五点を展示する。
ニューマンの多くの作品の特徴は、ZIP(ジップ)と呼ばれる垂直のストライプによる、究極までそぎ落とされた表現だ。「十字架の道行き」でも、ほぼ同寸(約二メートル×約一・五メートル)の地塗りの施されていないキャンバスの上に、ZIPが黒、グレー、白のみで描かれる。この十四点の連作と対峙する時、一点一点確実に変化する展開に引き込まれ、生を宿っているかのような錯覚に陥る。
なお、主題の「十字架の道行き」は、イエス・キリストの死の宣告や磔(はりつけ)など十四の受難を表す伝統的なキリスト教的図像に由来するが、むしろ真のテーマは副題「なぜ我を見棄てたもう(キリストの最後の言葉)」にあるという。
ニューマンは第二次世界大戦におけるアウシュビッツとヒロシマの悲劇について「ギリシャから二千年のちに、ギリシャ人たちの悲劇的な立場にとうとう到達してしまった」と考えた。これについて批評家の故・多木浩二は「みずからつくりだしてしまった暴力的世界に対して答えられない問いを突き付けられた人間の悲痛な叫び」と評し、「こうした悲劇的世界をいかに絵画に固有な強度で超えようと努力するかが芸術家の仕事だと感じ続けていたにちがいない」とみた。
一方、「曽我蕭白『富士三保図屏風』と日本美術の愉悦」は、奇想の画家である蕭白の名作と、神像、古陶磁、漆器といった日本美術が織りなす和の響きを演出するもの。蕭白が、日本の象徴・富士山の品格をいかに表現したのか。そして日月を思わせる山容の不可思議な造形に、巨大な虹がかかる空間が現出する。展示総数は七十件(重要文化財一件、初公開十四件)。
入館は一般千百円、高・大生八百円、小・中生三百円。休館は月曜日。問い合わせは同館(0748-82-3411)へ。
講演会として、▽二十一日「出来事の詩学」三松幸雄氏(明治大学・多摩美術大学講師)▽四月二十五日「バーネット・ニューマンの〈十字架の道行き〉(仮題)」本展のゲスト・キュレーターである大島徹也氏(愛知県立美術館学芸員)。
なお、滋賀報知新聞社は読者プレゼントとして、同展の入場券を抽選でペア十組に進呈する。希望者は、はがきに住所、氏名、本紙への批評を記入し、二十日までに〒520-0044大津市京町四丁目五―二三、滋賀報知新聞社大津本社へ。









