琵琶湖が今冬も深呼吸
◇全県
県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)は先ごろ実施した琵琶湖水質調査において、今津沖の北湖で、水深九十メートル付近の底層水の溶存酸素濃度(水中の酸素濃度)が、水面から五十センチの表層水と同程度となる全循環が確認されたと発表した。これは水中の酸素が入れ替わる現象で、いわゆる琵琶湖の深呼吸と言われている。全循環が確認されたのは、過去の調査と比べて同程度の時期だった。
調査地点は高島市今津沖の七地点(写真)で、調査は毎月三~四回実施されている。
調査結果によると、今津沖中央定点(C地点)における湖底直上一メートルでの今年度の溶存酸素濃度は、昨年四~九月までは過年度平均並みに低下したが、十~十二月は台風や季節風による強風の影響などにより、大きな低下は見られず過年度平均と比べると高い値で推移した。同地点における年度最低値は十二月八日に観測した四・三ミリグラム/リットルだった。その後は、五・一~五・五ミリグラム/リットルの値で推移したが、今年一月二十日の調査で溶存酸素濃度が一○・六ミリグラム/リットルに回復したのを確認した。
これに対し、表層水の溶存酸素濃度は同日に一○・八ミリグラム/リットルと、底層水とほぼ同じ数値になった。
溶存酸素濃度が最も低い傾向にあるL地点においても、年度最低値は昨年十一月二十六日に観測した四・二ミリグラム/リットルであった。その後も四・四~六・四ミリグラム/リットルの値で推移したのが、今年二月二日の調査で溶存酸素濃度が一○・六ミリグラム/リットルとなり、回復が確認された。
片や表層水は、同日には一一・○ミリグラム/リットルであり、底層水と同程度となった。
ちなみに琵琶湖北湖の底層では、例年春から徐々に溶存酸素濃度が低下し、十月から十二月に年度の最低値となる。その後、冬の水温低下と季節風の影響により上層と下層の水が混合し、翌年一月~二月ごろ、溶存酸素濃度と水温が表層から底層で同程度になることが知られており、この現象が全循環である。
全循環が出来ずに酸素濃度が下がり、貧酸素になると、湖底に生息するヨコエビなど底生生物の生息に影響を与えるとともに、湖底の泥から窒素やリンが発生し、植物プランクトンの大増殖などで水質悪化につながるとされている。







