ベトナム・カットバ島の水環境改善協力事業
ベトナム北部の世界自然遺産ハロン湾に浮かぶ最大の島「カットバ島」で取り組もうとしている滋賀県の水環境改善協力事業が、JICAの平成二十五年度補正予算草の根技術協力事業に採択内定され、今年から本格化する。
事業期間は平成二十九年三月までで、大津市に支店を置く(株)環境総合テクノスと近江八幡市に本社がある(株)日吉が実施団体として参画し、大阪府立大学、公益財団法人国際湖沼環境委員会が協力。「産、学、官」の共同海外プロジェクトとして環境県の滋賀の取り組みの成果に期待が寄せられている。
ベトナムは、かつて日本が経験してきたように急速な経済発展の陰で自然環境保全への対策が遅れ、生活に密着した水質の汚染が深刻化。改善に向けた有効な対策が求められている。
ベトナムの観光地として知られる同島(人口約一万五千人)も一般家庭や観光ホテル街からの排水の処理が十分でなく、湾内に垂れ流しの状態が続き、海水の出入りが少ない閉鎖的な水域であることも重なって汚濁が進行。五年ほど前から赤潮が発生するようになるまでに水質が悪化している。また、湾内の養殖魚が死滅していくなど被害が広がり、悪臭も漂うなど、水質の環境破壊が進んでいる。
今回の事業では、県が培ってきた「琵琶湖モデル」を応用し、水環境の改善に向けたソフト面の取り組みを企業と共に進める。
現地では、島に暮らす人々の意識改革が重要として、汚染の状態と原因への周知を広めることから取組み、水質調査と分析、モニタリング指導、排水処理施設の管理、島民への環境学習、行政の制度基盤づくりなどを企業および県が分担して実施する。
今回、採択されたJICAの草の根技術協力事業には、全国から五十六件の応募があり、うち二十五件が認められた。主に日本が得意とする上水道のインフラ整備や防災、人材育成など、さまざまな分野の事業に地方自治体が海外展開を目指している。
(株)日吉、(株)環境総合テクノス、大阪府立大学は、環境省の事業を活用し、すでにベトナム中部・ダナン市で水産加工場の排水処理施設の水質改善事業も進めており、県内の企業がもつ実績や技術、びわ湖を守る取組で蓄積した滋賀の水環境保全のノウハウが、海外で活躍の場を広げている。
(写真は県提供)












