直木賞作家・姫野さんら
◇全県
県の文化向上に功績をあげた個人、団体に贈られる県文化賞などの各賞に、滋賀県出身で県立八日市高校の卒業生として初の直木賞作家となった姫野カオルコさん(東京都)ら十人が選ばれ、贈呈式が県公館で行われた。
三日月大造知事から賞状と記念品を手渡された姫野さんは、「これまで滋賀県出身であることは言わないようにしてきた。それは厭(いや)とか、嫌いというのではなく、小説が芸術の中で汚い部分を請け負う仕事だから。人間の中のいやな部分、つらい、暗い、悲しい、ねたましさ、ドロドロとした部分を見たり、えぐったりしないといけない。それを表現すると、土地や出身を隠しているのにもかかわらず、この登場人物は誰とか詮索を受けて、迷惑をこうむる人が出てくる」と関係者へ配慮してきた経緯を説明するとともに、「けれども、生まれ育った土地というのは、(私の)感受性、考え方に影響を与えた所なので、決して滋賀県という所を拒否しているわけではない。滋賀を離れていた私なのに、このような賞をいただき、ありがとうございます」と、故郷への愛着と感謝を述べた。
姫野さんは昭和三十三年、甲賀市生まれ。小説「ひと呼んでミツコ」でデビューし、以降、恋愛小説、ミステリー、エッセイなど幅広い作品を発表している。
「ちがうもん」「ハルカ・エイティ」では、近江方言の会話や琵琶湖岸の風景など滋賀県のエッセンスが随所にちりばめられている。今年一月、第百五十回直木賞を受賞した。
このほかの受賞者は次の皆さん。敬称略。
【文化賞】川崎千足(甲賀市)陶芸家 昭和十三年生まれ。
【文化功労章】浦部好弘(愛荘町)観世流能楽師 昭和十五年生まれ▽河村直良(大津市)社寺屋根工事 昭和二十五年生まれ▽坂田雅之(大津市)美術工芸品修復 昭和三十二年生まれ
【文化奨励賞】北川恵美(竜王町)音楽家 昭和四十七年生まれ▽高田学(栗東市)日本画家 昭和五十三年生まれ▽真依子(米原市)シンガーソングライター 昭和五十三年生まれ。
【次世代文化賞】杉本優(オーストリア)指揮者 平成二年、大津市生まれ▽唐仁原希(京都市)画家 昭和五十九年、竜王町生まれ。







