学校、銀行、工業団地で
◇全県
九州電力が太陽光など再生可能エネルギー(再エネ)で発電した電力の買い取りを一時中断して課題が浮き彫りになった再エネだが、次世代のエネルギー社会を再構築するには、再エネの推進とともに、省エネの取り組みも欠かせない。少ない電力を地域で効率よく使うスマートコミュニティの県内動向を紹介する。(高山周治)
平成二十八年度からの運用に向けて建設が進む公立守山中学校(守山市)は、多様な自然エネルギーを組み合わせた省エネ施設で、校舎改築としては全国初の文科省「スーパーエコスクール実証事業」だ。
工事期間は平成二十六年度、二十七年度の二か年で、新校舎は鉄筋コンクリート二階建て、延床面積は八千五百平方メートルとなる。
目を引くのは、琵琶湖の風を取り入れるため波状に工夫された屋根だ。夏場であれば湖からの涼しい風を受け、熱せられた空気を高窓や中庭から放出する。
このほか、年中一定温度に保たれる地熱を空調に利用したり、窓際の採光を工夫することで、一次エネルギー消費量を約四割カットの千百五十GJ(ギガジュール)=市教委試算=に抑える。
同市教育委員会は「節電に努める環境教育を推進することで、さらに省エネの効果を上げたい」としている。
産業界では滋賀銀行が、省エネ設備と機器を活用することで、CО2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル店舗」を栗東市に新築する。完成は来年六月。
具体的には、LED照明と採光の工夫、さらに琵琶湖から吹く自然風を取り込むことで消費電力を最大限カットするのとあわせて、屋上・駐車場に設置した太陽光パネル(三百六十枚)で年間消費量相当の電力を発電することで、CО2排出量を実質ゼロにする。
また、湖南市の湖南工業団地協会(六十四社)は、県内工業団地では初のスマートエネルギーシステム構想を検討している。今年六月に国の支援事業に採択され、九月に検討委員会を設置した。
同協会によると、節電でエネルギー消費を最小限に抑えるほか、コジェネレーションシステム(排熱利用など)で各社にエネルギーを融通する。
構想では、<1>主要企業にスマートメーター設置とエネルギーマネジメントセンターによる一元的な情報管理、<2>既存のコジェネレーションシステム活用によるエネルギー融通、<3>エネルギープラントの新設など、<4>工業団地全体へのネットワーク拡大―を段階的に進める。
同協議会は「来年三月に調査結果を報告し、企業の参加を募りたい」としている。









