県調査でえさとなる木の実が不作 行楽客の残すゴミも一因との指摘も
◇全県
県はこのほど、今秋はクマのえさとなる木の実のなり具合が悪いため、人里近くへのクマの出没が多くなると予測した。県は「とくに出没しやすい湖北、湖西の山岳地域や集落では十分注意してほしい」と、呼びかけている。(高山周治)
■えさ求め集落へ■
県によると、クマが多く出没する年は、九月ごろから目撃件数が増え始め、冬眠準備に入る十月に急増する。今年度の目撃件数だけをみると、クマの出没が相次いだ平成十六年度、十八年度、二十二年度と比べて、今のところ平年並みで推移している。
しかし、九月~十月に長浜・高島両市内の山岳地帯で実施した結実調査では、高地に生育するブナの実はほとんど確認されず、ミズナラも少なく、全体的に不作とみて、低地のコナラ、クリの実を求めて集落に出没する可能性が高いとみた。
■クマ出没は人災■
一方で、クマの出没増は、このような自然的な要因だけでなく、近年は人為的な要因も関わっているとの見方もある。
日本山岳会滋賀・京都支部の副支部長で、比良山系で遭難者捜索も行う民間団体「レスキュー比良」の松下征文さんは「アウトドア客が放置した食べ物などのゴミに、クマが誘われることもある」と、長年の経験から指摘している。
とくに注意すべき地域として、旧木之本町や旧朽木村周辺の山岳、比良山系を挙げ、「ここ数年、ごみを放置するマナーの悪い行楽客が多い。そのせいか、比良の登山口周辺では今年に入って何件か目撃情報が寄せられている。クマの嗅覚は犬の数倍も優れているので、後片づけをしっかりしてほしい」と、強く訴えている。
なお、クマに遭遇しないためのポイントは次の通り。
▽人家付近には収穫物の残りかすや生ごみなどのツキノワグマの誘引物を置かないようにし、カキやクリの実、ハチの巣は撤去する。
▽早朝や夕方の単独行動を避け、自分の存在を知らせるため、ラジオ、笛、鈴などで音を出して行動する。
▽不意の遭遇を避けるため、道端や人家周辺のやぶを刈り、見通しを良くする。








