新登録3件
◇全県
文化庁によると、文化審議会(宮田亮平会長)はこのほど、滋賀県庁など新たに百六十六件の建造物を登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。滋賀県関係では、県庁舎本館(大津市京町字大蔵1―1)、宮本家住宅主屋(大津市音羽台字垣内212―2)、旧多田家住宅主屋(大津市京町2―39)の三件で、今後、官報告示などの所定の事務手続きが完了すると、滋賀県における登録有形文化財(建造物)の登録件数は三百四十九件となる。新登録の三件は、次の通り。
滋賀県庁舎本館
所有者は、滋賀県。昭和十四年五月に竣工した建築で、今年で七十五周年を迎えた。設計は、府県庁舎を得意とした佐藤功一と建築装飾を得意とした國枝博、施工は大林組。本館は鉄筋コンクリート造四階建て、屋根は陸屋根で、北を正面とし、正面中央に二段構成の塔屋が付いている。平面は中庭を囲むロ字型で、正面側のみ左右に翼部が伸びている。
正面中央には重厚な車寄を構え、西翼部には県議会議場が、東翼部には知事室がある。本館の外観は、大きく翼部をのばした水平感と柱と窓が連続する垂直性の絶妙なバランスが高く評価されている。
宮本家住宅主屋
所有者は宮本謙二氏。建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの通訳を務めた宮本文次郎の住居として昭和五年に建築された洋風住宅。建物の設計はヴォーリズ建築事務所、施工は石倉善四郎が担当した。
構造は木造二階建て、寄棟造で、屋根はスペイン瓦葺となっている。
外壁はスタッコ塗とし、縦長窓や半円アーチ窓、バルコニーをバランスよく配置し外観を整えている。この建築は円熟期にあったヴォーリズの昭和初期の近代洋風住宅として質が高く、建設当時の設計図面が残るなど建築の経緯も明らかであり、高い価値が認められる。
旧多田家住宅主屋
所有者は、塩見秀子氏。旧多田家住宅は大津の旧市街地に所在。構造は木造二階建て、切妻造平入、桟瓦葺の小規模な町家で、建築年代は明治時代中期と推定されている。一階平面は片側に通り土間(ニワ)をもち四室を一列に並べ、正面からゲンカンノマ、ナカノマ、ダイドコ、そしてトコノマのあるオクザシキとなる。ニワにはクドや井戸が残されている。
正面外観は一階部分に出格子、二階には虫籠窓をあけ両端を袖壁にしている。旧多田家住宅主屋は、明治中期の大津の町家の意匠、構造を残す貴重な建物である。(石川政実)









