三日月氏 知事選勝利を追う(5)
◇全県
企業が正常か、異常かを判断するには、人、モノ、カネの動きを見る必要がある。これは政治団体においても同様だ。そこで先の知事選において小鑓(こやり)隆史候補を推薦した自民党県連の寄付金集め(カネ)を振り返ってみた。
●家森氏が提案
元経済産業省官僚の小鑓氏では退職金をはたいても選挙資金が足りないため、国会議員や県会議員団がそれぞれ集まり、国会議員百万円、県会議員五十万円を小鑓氏に寄付することを申し合わせた。 それでも足りないということで、家森茂樹県連幹事長(当時)が告示前に「市町議から一人三万円の寄付をお願いしたい」との提案を選対などで行ったという。
しかし第1選挙区支部長(大津市・高島市)の大岡敏孝衆院議員と第2選挙区支部長(長浜市や彦根市など三市四町)の上野賢一郎県連会長は「市町議員には選挙で一生懸命汗をかいてもらっているのに、これ以上、負担をかけることはできない」と寄付を集めなかった。
●何も知らないと言う清水局長
自民党県連の清水克実事務局長は「正式な機関決定でもないのに、市議会議員から一人三万円の寄付を募るなんてことはあり得ないでしょ」と当初説明していたが、その後、本紙指摘で県連には第4選挙区支部の寄付金が納められていることを認めた。
このような状況のため本紙が独自取材を行ったところ、選対本部長(当時)の吉田清一県議が地盤の第3選挙区支部は、草津市支部連協が三十五万円(市議十二人分)、栗東市支部連協が二十四万円(八人分)を小鑓氏の政治資金管理団体「こやり隆史淡海経済産業研究所」に振り込んだ。
吉田選対本部長の地元、野洲市支部連協は、十万円(市議十人分)を同市支部連協に直接、寄付したにとどまるなど、吉田氏の威光が届いていない。守山市支部連協は、寄付を見送っている。
●4区は別行動
家森県連幹事長の地盤の第4選挙区支部では、八日市支部連協が三十万円(市議十人分)、甲賀郡連協が三十九万円(市議十三人分)、石部・甲西合同支部(湖南市)が十二万円(四人分)、蒲生郡支部連協の竜王町支部が十五万円(町議五人分)―の計九十六万円を自民党県連に寄付。近江八幡市支部連協と日野支部は、寄付は行っていない。
不思議なことに4区の寄付金は、小鑓氏の政治資金管理団体でなく自民党県連に納められ、県連から寄付金と同額の交付金が各支部連協に供与されている。
●迂回寄付を懸念
支部連協関係者は「県連幹部らが県連に寄付してもらえば支部連協に交付金で戻るようにするということで、寄付した議員も多かった。さらに、来春には寄付した議員には、寄付金の約三割の所得税控除があるので寄付してほしい、とのことだった。県連がもし三万円と決めたなら、出していないところがあるのは不公平だ。そもそも小鑓氏の選挙資金が足りないというので寄付したのに、それを交付金で戻すのは、迂回寄付を誘発することにもなりかねず合点がいかない」とバラバラなカネの集め方と支出に憤っていた。
(石川政実)







