畑・元大阪市立大学大学院教授「再発防ぐため情報公開すべき」
高島市の琵琶湖畔に福島第一原発事故で放射能汚染された木くずの不法投棄が発覚して一年余り経過したが、いまだにその全容は明らかになっていない。そこで、行政対応の問題点や、同問題が示唆するものは何か、整理した。
同問題は昨年三月、福島第一原発事故で放射能汚染された木くず三百八十七立方メートルが、東京都内のコンサルタントの仲介で福島県内から高島市の鴨川河口の河川敷に捨てられたもの。県は、住民から通報のあった四月下旬まで発見できず、発覚後も対応が鈍かったため、厳しい批判にさらされた。
大津市内で開かれた「放射性チップ問題を考える集い」では、土壌汚染に詳しい畑明郎・元大阪市立大学大学院教授が、同問題をはじめとする、県内で起こった産廃問題を振り返り、「行政による情報隠ぺいが解決を遅らせた」と批判した。
また、県は木くずの放射能濃度検査で、特別管理(八〇〇〇ベクレル以上)の必要のない三〇〇〇~三九〇〇ベクレル(九月十七日、十一月二十六日)と発表した。これに対して石田紀郎・元京都大学教授は、県の四倍である一万二〇〇〇ベクレル(十一月二十日)を検出した。
この違いは、県が木くずに水分(含水率六〇~七〇%)を含ませたまま測定したのに対して、同氏は自然乾燥後に測定したためである。これについて石田氏は「国立環境研究所のマニュアルにもある通り、乾燥させてから測定するのが正しい」と、県の検査法を疑問視した。
刑事告発を巡っては、地元住民と石田・畑の両氏が代表を務める市民団体が今年一月三十日、廃棄物処理法と河川法違反容疑で関係者を大津地検と県警に告発。これに押されるように県は三月四日、関係者三人を刑事告発した。
関係者の氏名や搬出先については、「捜査に支障が出る」として、今も非公表のままだ。
このような不透明な経緯に、住民の不信感は根深い。現場近くに住む男性は、「県は管理道路の鍵を不用意に業者へ貸して木くず搬入を招いたばかりか、対応の遅れで放射能汚染された木くずを約一年間野ざらしにして住民に不安を与えた。解決を遅らせた責任は重い」と憤る。
前述の畑氏は「汚染木くずが山梨県など全国に広がりつつある中、県が搬出業者や搬出先などをきちんと情報公開し、問題を適切に処置することが、放射能汚染された廃棄物の全国拡散を防ぐため重要」と、指摘している。
(高山周治)







