基準水位下げて治水安全度向上を
◇大津
滋賀県市長会(会長=冨士谷英正近江八幡市長)の臨時会議が七日、大津市内で開かれ、県の治水対策の課題についての提言案が議論された。
この提言案は、県流域治水条例案を受けたもので、▽丹生ダム(長浜市)建設事業検証の早期完了と地元対応に県の主体的役割の発揮を▽台風18号と瀬田川洗堰(大津市)操作及び全閉問題▽洗堰操作の見直しによる治水安全度の向上―などの四点。
この中で高時川上流の丹生ダム建設事業については、国によるダム事業検証が遅れているため、下流の河川整備などの治水対策が大幅に遅れ、地元の負担、不安、不信が募っているとして、県は国に対して検証の早期完了を求めるだけでなく、「検証に至った経緯からして、県が実質的に主要な役割を果たすべき。県の立場及び方針を速やかに明らかにし、課題解決の役割を果たしていただきたい」などと求めている。
台風18号と瀬田川洗堰操作及び全閉問題については、「湖岸の浸水及び流入河川の水位上昇等への影響の検証と解消に向けての取り組み検討が改めて必要となった」としている。
洗堰の操作では、「下流域の利水と洪水防止対策のため放流制限され、通常の自然河川に比べても治水リスクを抱えている」として、上下流の受益と負担前提に「瀬田川より下流の流下能力の向上に展望を持って取り組むべき」とした。
また、台風18号時に宇治市など下流域の洪水を防ぐため実施された全閉操作では、直後に琵琶湖水位が上昇(マイナス二十五センチ→プラス七十七センチ)したことに、「全閉の影響は数センチとされており、仮に全開していたとしても約十センチの低下と考えられる。今回、洗堰全閉後も天ヶ瀬ダムへの流入は増加しているが、主に大戸川からのものであり、仮にダムがあれば抑制でき、洗堰全閉の効果を高めたものと考えられる。これは、河川改修では対応できないものである」と、大戸川ダムの必要性を指摘している。
さらに洗堰操作規則において、九月~十月の洪水期の基準水位マイナス三十センチについて、「下流府県からは、既に、利水需要はないとの見解が出されており、滋賀県も共同声明等で確認している。今後、琵琶湖からの利水も含め再精査することにより、非洪水期も含め、琵琶湖水位を下げることによる、琵琶湖及び流入河川の治水安全度を上げる検討も必要」と求めている。
市長会は今後、各市長からの意見を参考にして修正し、嘉田由紀子知事と宇賀武県議会議長へ提言する。






