県の流水域下水道処理施設
台風18号の影響で、県の湖南中部浄化センター(草津市)などの下水道処理施設に処理能力を超える大量の雨水などが流れ込み、十五日夜から十七日にかけて超高度処理をしていない汚水を大量に琵琶湖へ簡易放水していたことが本紙取材で分かった。琵琶湖の水を飲料水に使っている下流府県に知らせておらず、県のモラル・ハザード(倫理観欠如)も問題になりそうだ。【石川政実】
台風18号の豪雨により、十五日深夜に県の湖南中部浄化センター付近のマンホールから汚水が噴き出した。
また十六日午前六時四十八分に、安土ポンプ場(近江八幡市安土町)が停電などで水没し、上流のマンホールから汚水があふれ出したため、県は十六日から十八日午後十一時まで、下水道使用の自粛要請(一時解除)を行った。
同ポンプ場は、近江八幡市(旧安土町)、東近江市(旧能登川町、旧五個荘町、旧八日市市の一部)の汚水を同浄化センターに送っている。
そもそも県の流域下水道施設は、雨水と汚水が混じらない分流方式が特徴だった。ところが今回の台風18号によって、湖南中部浄化センターなどに大量の雨水などが流れ込み、大混乱に陥った。
また県の流域下水道施設は、琵琶湖総合開発の一環として、下流の京都や大阪にきれいな水を供給することを目的に、超高度処理をしている。ところが処理能力を超える大量の雨水などが流れてきたため、県では十五日夜から十七日にかけて、超高度処理ができない汚水と処理済みの水を混ぜ、大腸菌の消毒をして、琵琶湖に簡易放水を行ったとしている。
ちなみに県の流域下水道処理施設は、湖南中部、湖西(大津市)、東北部(彦根市)、高島(高島市)の四浄化センターからなっている。
県によれば十五日夜から始まった簡易放水は、湖西浄化センターが十六日午後五時、東部浄化センターが同日午後十時、高島浄化センターが十七日午前三時四十分、湖南中部浄化センターが同日午前八時ごろに中止され、通常の超高度処理に戻っているという。
県下水道課では「どのぐらい大量に超高度処理をしていない汚水が琵琶湖に流れたかは分からない。これまでも毎年、年間十回から二十回は簡易放水をしてきた。今年では、九月二日に湖西浄化センターで簡易放流を行っており、今回で二回目。四浄化センターの処理量は、年間で琵琶湖全体の約〇・五%程度。今回はわずか二日の放水であり、なおかつ水質汚濁防止法の範囲内の基準と見ており、なんら問題はない。これまで簡易放流をした場合でも、下流府県に連絡はしてこなかった」と弁明している。







