湖南市 糸賀一雄生誕100年事業
◇湖南
来年、生誕百年を迎える教育家、糸賀一雄氏(大正三年~昭和四十三年)は、「この子らを世の光に」といった人間愛に満ちた福祉思想を掲げ、日本の障害福祉を切り開いた。ゆかりの湖南市では、同氏の思想を広め、次代に伝えようと、展覧会「糸賀一雄展~消シテテハナラヌ世ノ光~」が開かれている。二十二日まで。
同展は、障害福祉の先駆けとなった近江学園(現在・湖南市)を戦後まもなく設立した糸賀と田村一二、池田太郎の三氏の足跡を紹介するもので、会場の甲西図書館には、三人の年譜や著書、遺品、執筆原稿、当時の貴重な写真など約百点が展示されている。
学園は昭和二十一年、「戦災孤児や知的障害児の保護、教育を抜きにして日本の復興はありえない」として、大津市南郷に設立された全寮制の施設。新たな課題に直面するたびに、別の施設を開設して対応したため、同学園は「多産系の施設」と呼ばれた。その集大成は、障害を二重三重にもつ人に医療・福祉を提供するびわこ学園とされる。
戦後の貧困、制度未整備の中、その道のりは平坦でなく、同氏は実現に向けて職員に▽四六時中勤務(生活を共にするため)▽耐乏生活▽不断の研究―の三条件を示した。執筆原稿には、困難に出会った職員の相談に度々応じた様子もつづられている。
職員として糸賀氏の指導を受けた、記念事業実行委員会の斉藤昭氏(73)=大木会理事長=は「糸賀思想は、当時、重症の心身障害児であっても、差はあれど、発達を保障していく考え方であり、子どもたちの成長する姿や懸命に生きる姿を『世の光』として示そうとした。あらためて日本の福祉に及ぼした業績を知ってほしい」と、語っている。
なお、同時開催事業として、「NHKスペシャル ラストメッセージ『この子らを世の光に 知的障害者と共に』~糸賀一雄」が同館で十四日(午前十時半、午後二時半)上映される。午後一時半からは、NHKプロデューサー・牧野望氏の講演もある。
問い合わせは同実行委員会(0748-71-2364)へ。







