立命館大学の研究グループが開発
◇草津
立命館大学生命科学部(草津市)の久保幹教授の研究グループが、生物的指標に基づく「土壌肥沃度指標」を世界で初めて開発した。同大学は、有機農業での安定生産とコスト削減により、農業の生産性向上につながるとしている。
農業生産の質と量を向上させるのに重要な「土作り」では、土壌を診断する方法として、化学的性質(肥料成分など)、物理的性質(保水力など)、生物的性質(有機物の分解など)の三つの方法がある。
しかし、従来の土壌診断技術は、化学的性質が中心で、生物的性質の評価は困難だった。このため、化学肥料を使わない有機農業では、土作りを経験に頼らざるをえず、安定的な生産が難しかった。
久保教授のグループが今回開発した指標は、土壌中の微生物量や微生物による物質の分解・循環を定量的に評価することで生物分析が可能になり、有機肥料を用いた土作りの科学的な「処方箋」を出すことに成功した。
実験は昨年十二月から今年七月にかけて守山市内の圃場で行われ、化学肥料を用いた土壌と、同指標に基づいた有機肥料(牛糞)を堆肥した土壌でトマトを比較栽培した。
その結果、同指標に基づいた土壌では、化学肥料を使った場合に比べて、トマトの糖度一%(化学五・九%、有機区七・〇%)上回った。また、有機栽培は通常、収穫量が減少するが、今回の実験では化学肥料の場合と同程度収穫できた。
研究グループは今後、技術普及と開発により化学肥料にかかるコストに比べて三割減少させることを目指す。






