市民オンブズの「見張り番」が知事に要望書
市民オンブズの「見張り番」滋賀(澤忠起代表)はこのほど、県防災危機管理局のモニタリング体制における相次ぐ失態に対し、知事を始め幹部職員の処分を求める要望書を、県防災会議会長でもある嘉田由紀子知事に提出した。関西電力の大飯原発の再稼働に反発する嘉田知事には全国から共感が集まっている中、肝心の足元で続出する不祥事に警鐘を鳴らすものだ。「見張り番」は二十七日までに回答を求めている。【石川政実】
原子力防災で相次ぐ失態
要望書では<1>環境放射線モニタリングポスト(注)の運用停止<2>停止の二年前まで、モニタリングポストのデータの回収・蓄積が行われていなかった<3>モニタリングカーによる測定が三か月実施されていない―などの失態を挙げている。
●目玉のポスト停止
県の原子力防災対策の根幹ともいえるのがモニタリングポスト。一昨年九月から、高島市今津町、同市マキノ町、長浜市西浅井町、同市余呉町に設置していた環境放射線モニタリングポスト四機を停止(廃止)していたことが、澤氏が昨年四月に行った情報公開請求でわかった。
モニタリングポストは平成十三年度に、福井県の原発事故に対応するため、三億円を投入して県境に設置したもので、県の目玉事業だった。 ところが装置が老朽化し、県では「改修はもったいない」と、一昨年九月から安価なモニタリングカー(移動式測定装置)一台の購入で済ませていた。
嘉田知事は、この事実が報道された際、モニタリングカーによる測定が代替手段となり得ると発言している。
しかし澤氏は「月に数回、数時間程度の測定が行われるに過ぎないモニタリングカーによる測定が、二十四時間リアルタイムで測定データを県庁に送るモニタリングポストの代替手段になり得ない」と指摘する。
●測定データ回収怠る
さらに同氏らは昨年八月、モニタリングポストが運用停止される以前の二年間における測定データを示すよう、県に対して情報公開請求を行った。
その結果、測定装置のトラブルのために、少なくとも二年間は、測定データの回収・蓄積、解析を怠っていたことが判明した。
●カー、測定せず
また澤氏が今年三月、モニタリングカーの情報公開請求をしたところ、昨年十一月、今年一月、二月の三か月分の観測データがなく、測定されていなかった。
県は二月県会の防災対策特別委員会で「防災計画の見直しなどの事務作業が多忙になり、手が回らなかった」と陳謝している。
澤氏は「嘉田知事が原発問題で積極的に対外的な発言をしているのは、高く評価している。しかし肝心の足元で、このような不祥事が続発するようでは、全国からの信頼を失いかねないため、幹部職員の処分を求めた」と警鐘を鳴らしている。
(注)モニタリングポスト=原発周辺で連続的に監視測定するための固定装置






