国民理解得るための7項目示す 中立機関による専門的判断など
嘉田由紀子・滋賀県知事と山田啓二・京都府知事は十七日、大飯原発(福井県おおい町)の再稼動の安全性や必要性について国民理解を得るのに必要とする七項目の共同提言を発表し、政府へ提出した。京都府公館(京都市)で共同会見を開いた。
福島原発事故の原因究明や国の防災計画が示されない中、原発を再稼動させるには国民への説明が不十分であり、国民の理解を得る必要があるとして、半径三十キロ圏内の「緊急防護措置準備区域」(UPZ)に一部含まれる滋賀県と京都府が統一してまとめたもの。
具体的には、(1)政治的な見解ではなく信頼のおける中立的な機関による専門的な判断(2)福島原発事故のデータなど国民の納得できる情報公開(3)防潮堤など恒久措置による安全性の実現(4)事故調査の終わらない段階に稼動に迫られる緊急性の証明(5)脱原発に向けた中長期的な工程表(6)オフサイトセンター整備などの事故の場合の対応(7)福島原発事故被害者や、立地自治体である福井県のこれまでの努力への配慮―を盛り込んだ。
(1)の「中立的な判断」は、原子力規制庁がまだ設置されていないことから、少なくとも原子力安全委員会や専門家の客観的かつ明確な意見が政治的な判断の基礎として不可欠とした。
また、今夏の電力需給状況についても、事業者(関電)の提出資料だけで判断するのではなく、第三者委員会を設け、公平に点検すべきとしている。
(3)の恒久措置による安全性は、防潮堤や免震棟といった恒久対策が未整備の現状では、整備への道筋を示すことで、安全性の担保を求めた。
(5)の脱原発に向けた中長期的な工程表は、「脱原発依存社会」への移行に向けて、長期的なエネルギー計画の作成とエネルギー供給体制の透明化、自由化、民主化に関する対策を示すとともに、再生可能エネルギーや新産業育成の必要性を指摘している。
嘉田知事は「何の見通しもなく、応急措置で安全と言ったり、原子力から脱却したいと言ったり、責任ある閣僚がぶれている。国民に真っすぐ道筋を示してくださいと申し上げるため、多様な当事者の間で議論をするため、配慮すべき項目として提言した」と述べた。
山田・京都府知事は「懸念に対してしっかり答えていくプロセスを確立することが、国民的理解を得るために必要であり、それが政治の果たす役割。そのプロセスがないまま、再稼動を進めていくことは反対だ」と、国民理解のない稼動への動きを批判した。






