所有者と活用希望者の橋渡し 空き町家に歴史と文化の魅力
◇東近江・近江八幡
「八幡商人」の名を国内どころが海外にまでにとどろかせ、発展してきた近江八幡。伝統的建造物群保存地区に指定されている旧市街地には、近江商人として繁栄した豪商の商家や町並みが今も残り、歴史と文化に触れ、独特の景観の中で“時の旅”を楽しむため、大勢の観光客が連日訪れるにぎわいをみせている。
しかし近年では、観光客は増えるものの様々な理由から住む人が居なくなった「空き町家」が目立ちはじめるようになった。このままでは、長年築き守ってきた美しい町並みが損なわれ、地域の活力が低下するとの危機感から、地域再生と景観保全に向けて、地元住民、NPO法人、商工会議所、行政などの協働による空き町家の利活用への動きが始まり、各方面から注目を集めている。
平成十九年度に阪大大学院の福田知弘准教授の研究室(当時)によって「空家と人材のマッチングによる地域活性化調査」が行われ、旧市街地にある四百三十七軒の町家のうち七十二軒が空き家であることが判明。また、高齢化により、十年以内に三軒に一軒が空き家になるという調査結果も出た。
これを受けて、同二十一年十一月に関係団体などによる任意組織「おうみはちまん町家再生ネットワーク」(青山孝会長 近江八幡商工会議所内に事務局)が結成され、空き町家所有者と活用を希望する人を結びつけるための情報提供や交渉の窓口となる「おうみはちまん町家情報バンク」を設置した。
具体的な流れとしては、(1)旧市街地内(八幡学区)で空き町家を貸したい・売りたい人がネットワーク窓口に連絡(2)近江八幡商工会議所不動産部会で仲介業者選定(3)物件調査員による調査(4)ホームページ(http://8machiya.com)や窓口等で物件・現地見学会など情報提供(5)利活用希望者はバンク利用登録、ホームページで物件確認、現地見学会参加(6)物件確認後に町家情報バンク台帳登録物件活用希望申込書提出(7)仲介業務担当者が双方と条件面等について連絡調整(8)契約交渉(9)契約成立となる。
二十二年五月と十一月に現地見学会が開かれ、住居や店舗として活用を希望する市内はもちろん、市外・県外などから、定員を超える参加申し込みがあり、関心・ニーズの高さをうかがわせる。現在、四件の物件で交渉が進んでいる。
このほかにも、独自ルートで町家を借り、住居や店舗としてすでに活用している人も増えてきている。開発ではなく、保存し、生かすことによる「次世代へ残すまちづくり」に、大きな期待が寄せられている。
問い合わせは、おうみはちまん町家再生ネットワーク事務局(0748―33―4141)まで。








