近江日野商人館で企画展
◇東近江・日野町
「伝統を重んじる一方で、新しいもの好きだった」。日野町立近江日野商人館は、日野商人の優れた先見性に焦点を当てた企画展「日野商人のハイカラ道具展~その進取性が取り入れた近代文明の数々~」を開催している。
同館の満田良順館長は、本宅などに残されているハイカラな道具の数々から、日野商人の商法の特徴を示す言葉としてよく使用される「進取」の世界観を引き出す。
日野商人の若村源左衛門は、安政六(一八五九)年に幕府が横浜港を開港すると自ら出向き、オランダ人と接触して舶来の薬を外国船から直接大量輸入した。このような行動力と先見性に秀でた日野商人たちは、幕末から明治・大正・昭和初期にかけて欧米文化“ハイカラ文明”を積極的に取り入れた。
特に、日野商人の本宅で保管されていた「ガルバニ電気治療器(電池とコイルを利用したモーターで電流を流す)」は、オランダ人医師が幕府に献上した治療器を真似て日本で製作されたもので、桐箱の墨書きから江戸時代末期の一八五九年製であることが分かる。
精巧かつコンパクトに組み立てられた電気治療器からは、欧米の最先端技術に劣らぬ日本の高い科学技術力が垣間見え、「全国三例目の大発見かもしれない」という。
また、日野商人宅には、ドイツのユンケルストーブを模した国産の石炭ストーブや時計の動力を応用したゼンマイ式自動蝿取り機、舶来の手回しミシン、電気アイロン、首ふり機能付きのアメリカ製扇風機、乾電池発明前のルクランシェ電池など、一部の富裕層しか手に入れられない物が数多くあった。
欧米の建築様式を参考にバリアフリーが採用されている旧山中兵右衛門邸の同館では、道具以外に文明開化とともに男性の必需品となった山高帽やステッキのほか、江戸時代末期から流行した月琴、ハイカラな身なりの人物の写真なども紹介している。
開催期間は十月三十一日まで。月・金曜日閉館。詳しくは、同館(0748―52―0007)へ。
●昭和レトロへ誘う
日野駅前通り共栄会と日野ギンザ商店街は、合同企画として懐かしい日常品や写真などを店先に展示する「昭和レトロ散策」を二十二日まで開いている。
今月二十一日には、日野駅前通り共栄会が昭和レトロ電車の展示や昭和時代の金物・荒物の販売を行い、日野ギンザ商店街が出店・懐かしのメロディー演奏・昭和の遊びを盛り込んだ縁日イベントを繰り広げる。
問い合わせは、日野町商工会(0748―52―0515)まで。







