住民「有害物見つけるには困難」
◇湖南・栗東市
昨年十一月以降、十年間こう着状態のRD産廃最終処分場(栗東市小野)問題が動きだし、正念場を迎えている。県は環境省の助言を受け、対策工の最終決定に向けて、「ボーリング調査で見つけた有害物をできるだけ除去する」という調査方法を周辺七自治会に示したが、後退ともみえる内容に住民からは「ボーリング調査で見つけるには困難」と批判が相次いでいる。県は今月末までに七自治会の合意一本化を求めているが、そのためには住民意見を受け止める柔軟な姿勢が必要だ。
二月十五日、栗東市役所で行われた県と七自治会の協議で、住民から「こんな調査方法では有害物は見つからない」との声が相次ぎ、傍聴席からも「ドラム缶の中身で汚染された土壌を、除去しないとの今回の県の方針には納得できない」との意見があがった。
この大量のドラム缶が見つかった問題は、平成十七年十二月、県が元従業員の証言をもとに処分場西側平たん部を掘ったところ、廃油や工場廃液(いずれも有害産業廃棄物)を詰めたドラム缶百本、一斗缶六十九個が見つかったもの。
周辺土壌はドラム缶から流出した内容物で汚染され、辺り一帯は異様な油臭が漂っていた。汚染土壌は、有害物をどれだけ含むかみる含有試験で分析され、環境基準を超過するダイオキシン、鉛などが検出された。県は当然、十八年にRD社(破産)に除去するよう命令した。
この時あわせて、水にどれだけ有害物が溶けるかみる溶出試験も実施された。ちなみに、同処分場でこれまで、溶出試験では環境基準を超える有害物はほとんど見つかったことがない。
県は今回の再調査で、この「溶出試験」を使って、環境基準よりも基準のゆるい特別管理産業廃棄物(特管物)相当の有害物を探すとしている。これに照らせば、四年前に県が有害物と見なした汚染土壌でさえ、除去すべき有害物に当たらないことになってしまう。
県が示した調査方法によると、ボーリング調査を場内四十五か所で実施し、採取した各層の土壌を混合した上で溶出試験を行い、特管物相当の有害物があれば除去するとしている。
これについて県・最終処分場特別対策室の上田正博室長は「県は特管物相当の有害物が溶けて、周辺地域に流出するかどうかを問題視している。だから溶出試験をとるのであり、溶けて流出しないのなら、支障はない」と主張する。
これに対して畑明郎・大阪市立大学大学院特任教授(日本環境学会前会長)は、まずボーリングで採取した土壌を全層混合することに「混合すれば有害物がどの層にあるか分からなくなる。一メートルごとに目視でどのような産廃や土壌があるか柱状図をとり、これに基づいて各層ごとの含有試験とボーリング孔のガス調査で分析すべき」と指摘する。
さらに県が有害物除去の目安にする特管物についても「特管物は有害物を扱う管理型産廃処分場の基準で、環境基準の十倍~三十倍も高い。これを安定型処分場のRD処分場にあてはめるのはおかしい」と首を傾げる。
また、溶出試験に関して「場内の有害物は、懸濁物の状態で流出したり、土壌に含まれる廃油で溶け出すことが考えられる。水で溶けるかどうかみる溶出試験では不十分だ。これまで溶出試験で有害物は検出されていないというが、処分場内外の地下水で検出されている水銀やヒ素、ダイオキシンなどはどう説明するのか」としている。






