県立 成人病センター医師らの研究成果 新たな治療方法の手がかりに期待
◇湖南・守山市
レビー小体型認知症(DLB)の精神症状が脳のどの部分の機能不全に関連しているのかが、県立成人病センター老年内科の長濱康弘医長らの研究でこのほど、明らかになった。英国学術誌「ブレイン」に掲載される。
DLBの幻視に関連する脳機能障害については過去にも研究があったが、DLBの多彩な精神症状と脳機能の関係を総合的に検討した研究は世界で初めてで、脳神経医学領域で世界的に権威のある英国学術誌「ブレイン」に掲載される予定だ。
DLBはアルツハイマー病に次いで多い認知症の原因疾患で、幻覚などの精神症状が初期からみられるのが特徴。長濱医長らは「人の姿が見える」などの幻視、「家族を他人と間違える」などの誤認、「誰かが物を盗る」などの妄想といった症状があるDLB患者百人の脳血流と各精神症状の関係を調べた。
その結果、視覚処理に関連する後頭葉、頭頂葉の機能不全が幻視と、情動(喜怒哀楽の感情)や記憶を司る海馬や島皮質など大脳辺縁・傍辺縁系の機能不全が誤認と、社会的判断などを担う前頭葉の機能不全が妄想とそれぞれ関連していることを明らかになった。
同センターの松田実・老年内科主任部長は「DLBは認知症の初期から精神症状がみられるため、介護者が大変苦労されることが多い。精神症状が脳のどの部分の機能不全と関係があるかがわかったことで、精神症状に対する治療方法や治療薬開発の手がかりになるのでは」と話している。
(注)レビー小体型認知症(DLB)=一次性認知症ではアルツハイマー病に次いで多い病気で、一次性認知症の約二割を占めている。この病気はもの忘れもあり、一見アルツハイマー病に似ているが、第一の特徴は、とても生々しい幻視がみえること。第二に、日によって症状に変動があり、正常に思えるときと様子がおかしいときが繰返しみられる。第三に、歩きにくい、動きが遅い、手が不器用になるなど、パーキンソン症状がみられることがある。






