ステントグラフト内挿術
◇湖南・守山
県立成人病センター(守山市)はこのほど、腹部大動脈瘤の患者に対して、県内では初めてのステントグラフト内挿術(ないそうじゅつ)を実施した。
患者は県内在住の八十代男性。検査の結果、約五センチの腹部大動脈瘤が見つかり、従来の開腹手術では危険性が高いと判断し、今回の新しい術式を選択した。手術は約二時間で終了した。今回の手術を担当した医師は、山田知行・心臓血管外科部長、岡田正治・循環器内科医長。
腹部大動脈瘤とは、腹部の動脈が拡大してコブ状になったもので、約五センチ以上の大きさになると破裂して突然死に至る場合もある怖い病気。これまでは、人工血管に置換するための開腹手術が必要だったが、近年、おなかを切らずに治療する新しい術式としてステントグラフト内挿術が開発された。
ステントグラフトとは、血管内治療に使う細い管(カテーテル)の中に折りたたんで収納された人工血管のことです。下肢の付け根にある動脈(大腿動脈)からカテーテルを使って動脈瘤内にステントグラフトを挿入し、それを拡張して留置するという術式がステントグラフト内挿術で、従来の開腹手術と同様の効果が得られる。この新しい術式では動脈瘤自体は残るが、おなかを切らずに破裂を予防することができ、患者の身体にかかる負担は少なくて済む。ステントグラフトは約二年前から保険適応となっている。
山田知行・心臓血管外科部長は「ステントグラフト内挿術は、従来の開腹手術が危険な患者さんにも、身体への負担が少なく実施できるため、腹部大動脈瘤治療の選択肢が増えました。しかし、合併症がないわけではなく、またすべての動脈瘤に応用できるものではありません。形の適した動脈瘤のみに適応可能で、症例を限定することで今後の治療成績が良好なものとなるでしょう。将来的には三~四割程度の動脈瘤に実施可能と考えられます」と話している。





