動き始めた来夏の知事選 切り札の有村氏出せるか
◇全県
湖国政界は、来年七月の任期満了に伴う次期知事選に向け、嘉田由紀子知事(58)の再出馬を想定して動き出した。嘉田知事とは新幹線新駅やダム問題などで対立してきた県議会最大会派“自民党・湖翔クラブ”では「知事を替えないと県政や湖国経済は失われた八年になる」と焦燥感を募らせている。そこで自民党の動きを中心に追ってみた。【石川政実】
平成十八年七月二日の知事選では、自民、民主、公明推薦の無所属前職・国松善次氏(71)、無所属新人の嘉田氏、共産推薦の無所属新人の辻義則氏(62)の三つ巴の戦いとなり、栗東市の新幹線新駅凍結を掲げた嘉田氏が初当選を果たした。嘉田知事は十九年十月に新幹線新駅を「中止」してからは、県政運営に自信を深め、マニフェストで約束した造林公社の債務処理、大戸川ダムの凍結などを実現していく。
しかし、その一方で栗東市のRD産廃処分場の有害物撤去を求める住民や新幹線新駅の区画整理事業の地権者、ダム建設予定地の住民らと激しく対立するなど、強引な政治手法も目立ち始めた。
「ものごとを中止したり壊したりするのは超一流だが、逆にものを作り出したり、住民と対話をしたりは二流」と嘉田知事に厳しい評価を下す自民党県議らは、知事選の候補者を模索する動きにある。
具体的には、湖南市長の谷畑英吾氏(42)、県職時代に嘉田知事に更迭された野洲市長の山仲善彰氏(58)、嘉田知事とは刎頚(ふんけい)の友である近江八幡市長の冨士谷英正氏(62)らの名前が次期候補者として下馬評に上っている。
最近の嘉田知事は「国交省などの出先機関は廃止すべき」と分権時代を視野に入れて国への批判を強める中、自民党県議からは「国と喧嘩(けんか)ばかりしていては道路一つもできない。むしろ国との関係修復が緊急の課題」との声が出ている。
このため実現性は乏しいが、総務省から来ている県副知事の澤田史朗氏(43)や産業経済省(旧通産省)出身の評論家・八幡和郎氏(57)、青森県高齢福祉保険課長の福田誠氏(36)の担ぎ出しの動きも予想される。
一方、自民党の県会議員では、屈指の理論家である家森茂樹氏(57)、地元テレビ局BBC(びわ湖放送)の元ニュースキャスターでもあった蔦田恵子氏(47)、国会議員では知事選の“切り札的存在”と目される参院議員(自民)の有村治子氏(38)、経済に明るい元参院議員(同)の山下英利氏(56)、産業界では綾羽(株)社長で元参院議員(同)の河本英典氏(60)らの名前も出ている。
マスコミ関係では、自民党県連がこの十日まで衆院滋賀4区の候補者を公募しBBC関係者らの動向が注目を集めているが、知事選においては草津市出身のNHKアナウンサー・野村正育氏(47)の待望論が起こりそうだ。
同党の有力県議は「知事選で候補者擁立を見送り嘉田知事推薦に回るようでは、二年後の県議選も惨敗は必至」と危機感を募らせている。






