帝国データバンク調べ
◇全県
景気後退が深刻化する中で、派遣社員の削減など雇用環境の悪化が問題となっている。そこで、帝国データバンクは、昨年十二月十七日~今年一月五日、全国二万四百五十五社を対象に「雇用調整に関する企業の動向調査」(有効回答企業数一万七百三十一社)を実施し、四社に一社が雇用調整を行っている実態が浮き彫りになった。
今回の景気後退を要因とした従業員の削減状況について、昨年末までに「正社員」「非正社員」のどちらか、また「両方」を削減した企業は千六百四十九社、全体構成比一五・四%にのぼる。
また、今年以降に削減を検討している企業は、二千三百九十九社(全体構成比二二・四%)とさらに増加し、四社に一社が雇用調整を実施する見込みで、雇用環境の悪化が深刻さを増していくのは避けられない。
業界別にみると、雇用調整の実施(検討)は、特に「製造」(千百四社、全体構成比三五・七%)と三社に一社を超えている。また雇用形態による違いも大きく、「非正社員」(九百五十社、同三〇・七%)が「正社員」(六百十一社、同一九・八%)を大幅に上回っている。
なかでも、自動車関連の動向を表す「輸送用機械・器具製造」では、「非正社員」(五十三社、同五七・〇%)が「正社員」(二十社、同二一・五%)を大きく上回り、業況悪化が急速な雇用調整を促している。
二〇〇八年末までと二〇〇九年以降とも非正社員の方が正社員より削減を実施する企業は多いが、その差は二~三%程度にすぎない。企業からは「売り上げの減少が大きく、雇用が確保できない」(ネジ製造)や「業務量の急激な減少で、背に腹はかえられない」(無線通信機器製造)など、業績の急速な悪化で企業の存続のためにはやむを得ないという悲痛な声が多数あがっている。
また、現在は人員削減を行っていなくても「景気の底が全く見えない現状では、次の手を検討しておかなければならない」(医薬品小売)といった、今後の生き残りをかけて人員削減に踏み込んでいくという意見も聞かれた。
他方で、「削減(予定)はない」という企業は、二〇〇八年末までは「正社員」(八千五百六十六社、同七九・八%)、「非正社員」(五千九百八十五社、同五五・八%)となった。しかし、二〇〇九年以降では、削減を検討しない企業が「正社員」(六千六百八十八社、同六二・三%)、「非正社員」(四千二百五十三社、同三九・六%)と、前年末と比べて、それぞれ一七・五ポイント、一六・二ポイント減少している。
具体的には、「すでにこれ以上削減できないくらいの人員になっている」(呉服・服地小売)など、ぎりぎりの人員でやりくりしている企業が多い。しかし「決して多くない給料で頑張ってくれている社員を大切にしたい」(出版・印刷)といった企業の社会的責任や全社一丸となった難局への取り組みを指摘する声も多くあげっている。
今後、雇用環境が改善するためにどのような政策が必要だと思うか尋ねたところ、最も多かったのは「景気対策の拡充」(八千四百八十七社、同七九・一%)で、八割近くの企業が景気を良くすることが最大の雇用対策であると考えている。





