東近江地域関連の県天然記念物・県指定有形文化財
【県】 県はこのほど、聖徳太子ゆかりの伝説のある東近江市北花沢と南花沢のハナノキの生育地を県天然記念物に、浄土真宗の宗祖親鸞が自筆した「浄土和讃(わさん)断簡」など5件を県指定有形文化財に指定した。新指定6件で、県の文化財や天然記念物は計539件となる。
ハナノキの自生の分布は長野・岐阜・愛知県など限定的で、滋賀県内に自生するのは珍しい。東近江市の北花沢・南花沢の自生地には5株ずつあり、そのうち樹齢500年以上とみられる各1株は1921年(大正10年)に自生する巨木として日本最西端として天然記念物に指定された。ただし、北花沢の国天然記念物の1株は、2019年以降、枯死状態となっている。
鉈彫りの木造阿弥陀如来坐像
親鸞自筆の浄土和讃断簡
今回の県指定により、ハナノキの本体とともに生育地の環境を保護するとともに、聖徳太子信仰などの歴史文化の形成に大きな役割を果たした事例として今後の保存を図る。
このほか東近江地域関連では、「木造阿弥陀如来坐像」(日野町、長福寺)と「浄土和讃断簡(親鸞自筆本)」(近江八幡市、大圓寺)が指定された。
長福寺の「木造阿弥陀如来坐像」は一木造で、平安時代の制作。粗い鑿痕(のみあと)を全面にあらわす鉈(なた)彫り仕上げが特徴で、平安時代以降の木彫像でまれに確認できる。鉈彫りを考えるうえで全国的に重要な作例の一つで、県内の彫刻史上高く評価される。
また、大圓寺の「浄土和讃断簡」(鎌倉時代)は、縦26・6センチ、横16・6センチで、親鸞が84歳だった1256年作とされ、仏をたたえる七五調の歌である浄土和讃を自筆したもの。もとは冊子と推定されるが、現在は断簡となり、表装されて掛け軸装となっている。現存希少な「浄土和讃」の自筆原本であり、高く評価される。
このほかの新指定は次の通り。▽「紙本着色高野大師行状図画」(室町時代)(大津市、延暦寺)、▽「鰐口(わにぐち)」(鎌倉時代)(長浜市、大聖寺不動堂)、▽黒漆金銅装神輿(室町時代)(野洲市、御上神社)。






