【県】 県はこのほど、短歌を通して令和の滋賀の魅力を再発見し、後世に伝えることを目的に、滋賀の風景や思い出、魅力など、滋賀をイメージした短歌作品を全国に募集していた「31音で描く、あなたの滋賀。『令和版近江百人一首』」が完成したことを発表した。
県では、1989年に日本語の美しさと短歌を通して、滋賀の魅力を再発見しようと、柿本人麻呂や紫式部など、歴史上の文化人が滋賀の歌枕を詠んだ短歌百首を選定し、「近江百人一首」として制作しているが、今回、改めて、現代に生きる人たちが滋賀を詠んだ短歌を集めた「令和版」が作成された。
作品公募は昨年8月から9月にかけて実施された。県文化芸術振興課によると、全国461人から1022首の短歌が集まった。選定の選考委員は滋賀文学会が務め、特別審査員として小説「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)で2024年本屋大賞を受賞した大津市在住の作家・宮島未奈氏も協力、また、全体監修は歌人の高田ほのか氏が行った。
百首すべての作品と作者、作者が込めた歌意をまとめた「解説書」によると、百首の内訳は、大津エリア24首、高島エリア9種、甲賀エリア7種、湖南エリア5種、東近江エリア8種、湖東エリア9種、湖北エリア13種、琵琶湖に関する歌15首、その他全県的な話題に10種が採用された。
東近江エリア(東近江市、近江八幡市、蒲生郡)の作品は次の通り。カッコ内は作者、歌の収録番号の順。▽「風わたる琵琶湖みはらす長命寺八百八の石段の上」(松浦宣子さん、第17首)▽「車でも行けるが足で登りたい自分に勝てよと太郎坊宮」(そらまめさん、第28首)▽「五個荘の町の水路の鯉たちは三方良しと上手に泳ぐ」(神洲橋さん、第34首)▽「白壁の蔵を映して掘割をゆるやかに舟は時をさかのぼり」(画風さん、第39首)▽「百畳の大凧揚げる勢子の声響く気がする大凧会館」(打浪紘一さん、第78首)▽「風情ある八幡掘りを囲みたる商人屋敷レトロなるかな」(小宮美也子さん、第82首)▽「孕み穂が八幡山の風受けて送るウェーブは繖山へ」(井狩陽子さん、第85首)▽「綿向の神や見守る日野の里氏郷しのび風を今受く」(三村哲也さん、第99首)。
百首全ての歌と解説書のデータは県ホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/339339.html)で公開している。定例記者会見で「令和版近江百人一首」完成を紹介した三日月大造知事は「なかなか内容の濃い、また情景が思い浮かべられる秀作ばかり。滋賀の魅力がたっぷりと詰まっている。自分たち自身もこの百人一首で学ぶことができれば」と語った。






