県首長会議で知事と各市町長が意見交換
【全県】 昨年、日本全国でクマの人の生活圏への侵入と人身被害が多発したことを受け、県のクマ対策や市町の役割などについて、三日月大造知事と県内市町の首長らがこのほど、守山市役所で開かれた県首長会議で意見を交換した。
今年度、県内ではクマによる人身被害(裂傷、骨折など)が2件発生(2025年11月30日現在)。いずれも長浜市内だったことから、浅見宣義長浜市長が議題として取り上げた。
来年度広範囲での個体数調査実施へ
緊急銃猟制度、人材育成、ゾーニングなど課題も
クマへの対策について国では、昨年4月、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の一部を改正、同年9月1日以降、「ひとの日常生活圏にクマ等が出没した場合に、地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能」とし、市町村に対し、主体となって緊急銃猟の体制づくりを行うよう求めた。
一方、県ではこれまで、「滋賀県ツキノワグマ第一種特定鳥獣保護計画」に基づき、クマの対応を県が主導して取り組んできた。現在、第4次となる同計画では、「県内のクマは存続基盤がぜい弱な希少種」とし、「地域個体群の安定的維持と人身被害の回避および生活環境被害・農林業被害等の低減」を目的としており、推定生息数の8~12%の年間捕獲数上限を設けている。
首長会議で浅見長浜市長は「『保護』だけでは済まない時代になってきた」とし▽緊急銃猟制度の適切で安全な実施に向けた体制整備▽ハンターの育成・確保▽クマの『管理』および人の生活圏とクマの生活圏の間に緩衝帯を整備する『ゾーニング』などの予防的措置の推進を県内の課題として挙げた。
同会議に参加した首長らからは「これまで、クマが出没しなかった地域でも目撃されるようになった。以前より広くしっかりと個体数の推定調査を実施してほしい」(大津市)、「滋賀県の場合、人の生活圏に出没したクマを麻酔銃で眠らせるには、他県から資格を持った人を呼ばなければならず、時間も費用もかかる。県も人材育成に注力するべきだ」(日野町)、「クマが出没しそうな地域で説明会を単発で開催するのではなく、全県で課題を共有する場が必要だ」(甲賀市)といった意見が挙がった。
三日月知事は今後の県の対応として「まずは、来年度、近隣の関係府県と連携し、クマの個体数調査・推定の範囲を拡大して実施する。その結果を元に専門家の助言を得ながら、今後のクマの管理の方向性を検討する」と述べた。






