作者・河治和香さんが知事を表敬訪問
【草津】 草津市で創業した日本旅行(東京都、吉田圭吾社長)が今年、創業から120周年を迎えたことを記念し、作家の河治和香さんが日本旅行の創業者・南新助氏の生涯を描いた小説「旅行屋さん 日本初の旅行会社日本旅行と南新助」(実業之日本社)を10月23日に出版した。このほど、著者の河治さんと日本旅行の関係者らが県庁で三日月大造知事を表敬訪問し、出版を報告した。
日本旅行は1905年に創業。創業者の南氏は、草津に生まれ、駅で弁当販売をしていた父の姿を見て育った。やがて、日本初の列車を利用した高野山や伊勢神宮への団体旅行、当時の国鉄貸切り臨時列車による善光寺参りの団体旅行などを企画、それらが現代日本の団体旅行を支えている旅行業の始まりになったとも言われる。
著者の河治さんは、歴史小説を手がけ、小学館文庫小説賞や舟橋誠一文学賞などを受賞している。同書の執筆に当たり、河治さんは関係者への綿密な取材を重ね、歴史資料を渉猟した。
知事室で三日月知事と会談した河治さんは、「草津駅が出来たとき、南新助さんは3歳だった。まさに草津駅とともに成長し、やがて善意でみんなを楽しませようと旅行をしているうちにいろいろと広がっていった」と紹介し、「資料があまり残っていない中で調べていくうちに、当時は『草津の旅行屋さん』と呼ばれていたのではないかという着想から物語を進めていった」と語った。
河治さんから日本旅行にまつわる話や同時代におこった大津事件と草津の企業のつながりなど、同書にまつわるエピソードを聞いた三日月知事は「県でも2027年にJRのデスティネーションキャンペーンがあり、皆さんに来てもらおうとするので、これをご縁にいろいろと河治さんにも話をしてもらいたい」と語った。
表敬訪問修了後、記者団の取材に応じた河治さんは「旅行業というものがなかった時代に、草津のお弁当屋さんが大勢を旅行に連れて行ったというところから始まった様子を、草津や駅の歴史を交えて描いている。地域の歴史の豆知識のようなことも取り上げているので、幅広い世代に楽しんでもらえたら」と期待を語った。
同書は四六判、280ページ。定価2090円。全国の書店、オンライン書店で販売されており、電子書籍もある。






