市長自宅の都計法違反疑惑解明へ「知らなかった」で許されるのか
【野洲】 この3日に開催された野洲市議会の本会議で「桜本直樹市長は2007年10月に元所有者のN氏から市街化調整区域内の土地建物を買い受けて居住してから18年間、都市計画法(都計法)に違反していた疑いがある」として百条委員会の設置を求める決議が出されたが議員の採決で否決された。しかし桜本市長の自宅を巡る疑問点は今も解明されていないとして、保守系最大会派「創政会」の5人と無会派の1人の計6市議が17日、公開質問状を市長に提出し、24日までの回答を求めた。9項目にも及ぶ質問の要旨は、次の通り。(石川政実)
(1)桜本氏は07年10月26日、N氏の自己用住宅を一般住宅へ用途変更の許可を得ないまま、その土地建物をN氏から買い受けて同日、所有権移転し自己の住宅として違法に使用していた問題で、桜本氏はこの8月20日の全員協議会で「住宅地が市街化調整区域であることを知っていたが不動産業者から重要事項説明を受けておらず知らずに購入した」と陳謝した。しかし、当時、県職員であった桜本氏が市街化調整区域であると認識していたなら、不動産業者やN氏に確認するはずなのに、なぜしなかったのか。
(2)そもそも今回の問題は、N氏が07年9月26日に自宅が完成しながら、わずか1か月後に用途変更もせずに桜本氏に売却したことだ。
N氏の住宅を建設したI工務店の取締役である桜本氏の義母は滋賀報知新聞に「N氏は息子たちと同居しようと思っていたが、息子たちにその意思がないことがわかり、新築の住宅を桜本に売却することになった」と話したが、私たち市議の調査ではN氏の次男は『父が息子たちに一緒に住もう』と話したことは一切なかった」と証言しており、両者に食い違いが見られる。桜本氏はN氏が売却した理由や、いつ決意したかなどについて、N氏や不動産業者からどのように聞いていたのか。
(3)N氏が建てた家の売買について、通常ならN氏が建設費用を発注したI工務店に支払い、その後、桜本氏が土地建物買取代金をN氏に支払う形になるが、今回は短期的な取引になったため、N氏と桜本氏との間で建設費用と住宅購入費用をそれぞれ相殺する形で、桜本氏がN氏に買取り残金を支払ったのか。
(4)不動産業者が仲介する不動産を購入しても自己の住宅に使用できないという重要事項を説明しなかったのなら、宅地建物取引業法違反となる。それなら桜本氏は不動産業者やN氏の子息に対し損害賠償請求を行ったのか。もし、していなければその理由はなにか。
(5)桜本氏は当時のびわこ信用保証(株)と07年10月12日に保証委託契約を締結している。
びわこ信用保証(株)が桜本氏から住宅ローンの融資申し込みを受けて、この物件に関して都計法などの行政法令上の要件について審査したはずだが、桜本氏はこの物件が住居に使用できる資格があることを証明するため、どんな資料を同社に提出したのか。
(6)住宅ローンの融資決定には一定の審査期間を要する。N氏の住宅が完成するよりも前に、桜本氏は住宅ローンの融資申し込みをしたはずである。それはN氏がI工務店と建設請負契約をする以前なら、桜本氏の(善意の第3者)は疑わしくなる。桜本氏はいつ同社に住宅ローンの融資申し込みを行ったのか。
(7)桜本氏が昨年11月、市の建築住宅課長を呼んで自宅について都計法上の問題を聞いたところ、課長は「この住宅は現状では都計法違反だ。しかし、この住宅が建築確認を受けて建てられて十年以上経っているため、桜本氏が自己用住宅に用途変更する許可申請を市にすれば適正化できる」と説明したという。
桜本氏はすでに昨年11月に自宅が都計法違反であるのを知りながら、なぜ今年5月9日になって用途変更の許可申請をしたのか。
(8)桜本氏は建築住宅課に今年5月9日、用途変更申請書を提出したが、建築住宅課はこの重大な案件にもかかわらず同氏への聴き取りも行わないで、文書のみの審査とし、なおかつ、わずか2週間足らずで用途変更を許可したことは、桜本氏への忖度ではないか。
(9)許可申請されたこの土地建物は確かに10年以上前に建築基準法に基づき建てられたものだが、建物完成直後から用途変更許可を受けずに違法に居住してきたものであり、市の条例基準に基づいて許可できないものではないか―など。
公開質問状を桜本市長に手渡した一人の稲垣誠亮市議は「市長職には法令順守が誰よりも求められる。自宅が18年間も都計法違反の状態だったことについて、桜本氏にはきちんと説明責任を果たしてほしい」と話した。
なお、公開質問状の提出市議は、荒川泰宏氏(会派=創政会)、奥山文市郎氏(同)、服部嘉雄氏(同)、稲垣誠亮氏(同)、石川恵美氏(同)、村田弘行氏(無会派)―の6人。
(桜本市長の回答については、10月2日に掲載の予定です)






