国政刻刻 新米の季節がまいります
さる5日に開催された関係閣僚会議において、農水省はこれまでの「コメの生産量は需要に対して足りている」という主張を覆し、ようやく需要見通しが間違っていたことを認めました。ではなぜ需要見通しを間違ったのでしょうか。ひとつには米の消費は毎年10万トンづつ減少すると考えてきましたが、コロナ後のインバウンド需要が増加していることを全く考慮していなかったため、正確な需要予測ができていなかったことが挙げられます。そしてもうひとつには歩留まりの悪化が挙げられます。今年もそうですが、一昨年のように猛暑が何日も続き農業用水が不足すると稲穂が充分に登熟せず、精米した時の歩留まりが悪くなり供給量が減ります。そしてこれまでは米全体の流通量を調べてこなかったため、いったいどれだけあるのか正確に把握できていませんでした。今回の騒動を受けて初めてすべての流通経路を調べた結果、米の生産量が一昨年は50万トン、昨年でも30万トンも不足していたことが明らかになりました。
これからは需要に応じた増産に舵を切るとのことですが、それほど簡単にことが運ぶとは思えません。なぜなら農家数はこの20年で半減しているため、耕作面積を増やすことは容易ではないからです。あわせて用水の問題があります。農業用水はすべての地域で十分に確保されているわけではないため、用水をどう確保するかが必ず課題となります。そして増産が叶ったとしても、供給過剰が起きて米価が大きく下落したときはどのように対応するのかという問題が必ず出てきます。こうした課題への対応策を十分に考えたうえで増産をしなければ、日本の稲作は崩壊するかもしれません。
まもなく新米の季節です。生産者を守ることは当然のこととして、消費者の皆さんが喜んで地元のお米を買ってくださる環境の実現に努めてまいります。






