大切な人との大事なシーンでの活用に期待
【長浜】 障害者の社会参画のための活動に取り組んでいる企業「マルチスイッチ」(長浜市余呉町椿坂、木村寛子代表)では、車いすユーザーが座ったまま着脱できるフォーマルスーツジャケット「suinner(すいなー)」を開発した。このほど販売を開始し、利用者から好評を博している。
同企業の木村代表と製作に携わった合同会社「kei―fu(ケイフー)」(長浜市木之本町)の荒井恵梨子代表、長浜市社会福祉協議会らが県庁で記者会見を開き、製品をお披露目した。
同企業はこれまで、当事者同士がお互いを認め合うピアカウンセリング活動や地域のイベント企画、車いすユーザーも着用しやすい着物のレンタルなどの事業に取り組んできた。
今回発表されたフォーマルスーツジャケットは、「身近な人や親しい人の冠婚葬祭に出席したいが、着られるフォーマルスーツがなく、介護する人の負担も考えて出席を遠慮することがあるのが悲しい」といった車いすユーザーからの声を受け、自身も車いすを使って生活している木村代表が「着る人も着せる人にも気軽に扱え、身近な人の大切なシーンに一緒に参加できる服を」と企画。同社会福祉協議会が実施している市内で地域共生社会の実現を目指し、福祉分野が他分野と連携して課題解決と資源開発に取り組む事業「福祉とデザイン研究会」の活動の一環として2年かけて開発された。
同ジャケットは、前から着用し、首元のボタンを留めるだけで着用できるため、車いすユーザーが大きく体を動かさなくてもいいのが特徴。また、袖の筒幅を広く設計しているため、関節が固くなり、動かすのがつらい人でも比較的楽に袖を通すことができる。
開発には、デザイン・アパレル企業「仕立て屋と職人」(同市小谷上山田町)のデザイナー・ワタナベユカリ氏や各種プロジェクトのコーディネートなどを行っている「kei―fu」も連動して取り組んだ。
完成した製品には「粋な」という意味の湖北の方言「すいな」から商品名を名付けた。木村代表は「一般的なフォーマルスーツは立ち姿の素晴らしさが評価されるが、車いすユーザーはそれができない。座った時の姿でフォーマルに相応しい姿になるように考えた」と語る。
同ジャケットは車いすユーザー以外でも着ることができ、アレンジ次第で様々なシーンでの活用が期待される。詳細や購入についてはECサイト(文末二次元コード)を参照すること。







