明治期の建設分野の代表的な遺構
【大津】 国の文化審議会文化財分科会は16日、大津市と京都市をつなぐ長大な運河を構成する琵琶湖疏水施設のうち、大津市内に所在する大津閘門(こうもん)及び堰門、大津運河、第一隧道(ずいどう)をはじめとする1件16所4基4棟を重要文化財に、また、そのうち大津市所在の第一隧道、京都府所在の第二隧道、第三隧道、インクライン、南禅寺水路閣の1件5所を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申した。県内に所在する建造物が国宝指定を受けるのは1961年に日吉大社(大津市)東本宮・西本宮と大笹原神社(野洲市)本殿が指定されて以来64年ぶりとなる。
琵琶湖疏水は1881年に当時の北垣國道・京都府知事が京都の産業振興を図ることを目的に計画したのを機に85年に着工され、日本人技術者の手で完成した。
今回指定のうち、県に所在する施設は、船の通行時に琵琶湖と大津運河の水位差を調節するレンガ造りの大津閘門と湖水の増減に関わらず疎水に一定量を供給する水量調整を行う堰門、大津閘門と第一隧道を結び、竣工時に植えられた桜並木とともに多くの人に親しまれている大津運河、国内初の竪坑工法が採用された全長2436・1メートルのトンネルで坑門には古典主義などの様式的な装飾を施し、明治の元勲である伊藤博文と山縣有朋が揮毫(きごう)した扁額を掲げている第一隧道がなどがある。
県では、琵琶湖疏水施設について「琵琶湖の水資源や舟運を生かして京都の近代化と発展に大きく発展し、現在も都市基盤施設として活用されており、また各建造物に高度な技術が発揮され、明治期の建設分野における技術的達成度を示す代表的な遺構として、歴史的に価値が高い文化財といえる」と紹介している。
今後、順調に手続きが進めば今秋頃に官報に記載されることで正式に重要文化財・国宝として指定されることになる。今回の答申を受け、三日月大造知事は「県にとっても記念すべきこと。京都市や関係機関と連携し、保存と活用を推進していく」とコメントしている。







