職人技×ストリートファッション
【東近江】 県の地場産業の一つ「湖東麻織物」の事業者らによる「湖東繊維工業協同組合」(東近江市垣見町)が職人技とストリートカルチャーを融合させた新ブランド「蒟蒻麻絲(こんにゃくあさいと)/KONJAC LINEN(コンニャク・リネン)」を確立。このほど同組合の代表者らが県庁で記者会見を開き、新商品をお披露目した。
「湖東麻織物」は室町時代から続く東近江市を中心とした麻織物の産地。同組合では糸加工・染色・製織・整理加工まで産地一貫生産という特徴を生かし、品質の維持や伝統技術の継承に取り組んでいる。
従来、「湖東麻織物」は寝具や座布団カバーなどを主力製品としてきたが、生活スタイルや消費者ニーズの変化を受け、同組合でも「次世代へつなげる新たな価値の創造が必要」と、県の東北部工業技術センター(彦根市岡町)などと協力し、通常は織物に用いられる麻糸を編物のニット生地とする新素材の開発に約4年前から取り組み、今回、活動的な若者も身に着けやすいTシャツとして完成させた。
製造には、同組合企業の麻絲商会(東近江市佐生町)が手配した原糸に、ユニフル(同市南須田町)が同産地では唯一手掛けるコンニャクイモを用いた技法“こんにゃく糊付け加工”を施し、澤染工(同市小川町)が独自の “ル・ポワン染め”で染色、生地仕上げ加工は大長(同市五個荘簗瀬町)、縫製をファイナル(同市神郷町)が担い、おおまえ(同市小川町)が温度により色が変化する染料を調合し職人が1枚ずつ型で染め上げる“手捺染(てなっせん)”の技法で若者に人気を博すストリートカルチャーから着想したデザインの型染めを施している。麻の特性である速乾性や通気性に優れ、肌触りが良くシルクのような光沢感を持つTシャツとなった。また、ブランドの監修には美術家の松居龍哉氏も関わっている。
今年2月、イタリアで開催された世界規模のアパレル素材展「ミラノウニカ」に同ブランドとして出展したところ、「織物の産地から今までにないニットが生まれた」と欧州のバイヤーを中心に話題を呼んだ。
同組合の辻英幸副理事長は「このブランドは伝統文化と次世代への思いを込めたメッセージだ。新しい顧客層にもアピールしていける」と意気込む。
同ブランドでは現在、新商品応援クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で商品の販売を始めており、今後は同組合アンテナショップ「麻香(あさがお)」(近江八幡市新町2)や立ち飲みカフェ&バーを併設するアパレルショップ「nowon(ナウオン)」(彦根市立花町)での販売も予定。また、Tシャツだけでなく、糸売り、生地売りなどの販路の拡大も検討している。さらに、現在開催中の大阪・関西万博で6月24日に催される「滋賀魅力体験ウィーク」で同Tシャツの展示・販売も予定している。






