井田 寿一(78)
すべてが豊かになった今、死語になってしまったのであろうか「団塊の世代」。物も、金も、校舎も、教師も少ない時代に、一年も経てば扉も窓も動かなくなる教室に50人ちかくが詰め込まれ、その数の多さの故、いつでも何でも競争を強いられ、また、ひたすら管理され、取り残された者は冷や飯を食わされる。そうした時代に育った世代のことである。
彼らの多くは、ジョン・F・ケネディの大統領就任演説に鳥肌の立つほどの感動を覚えて自我に目覚め、安保、ベトナム戦争でポテンシャルを高め学生運動へと走った。ただひたすら管理されることに対する反動でもあった。寒さに凍えた体を櫓(やぐら)こたつで温め、飢えた腹をチキンラーメンで満たしながら、どうしようもない挫折感を『神田川』を口ずさんで癒し、ジョーン・バエズの歌う『We Shall Overcome』を耳にしてまた奮い立たせ、むさぼるように本を読んで活力を蓄えた世代。打算のない、熱く、燃えるようなロマンスが多いのもこの世代である。
彼らは1970年大阪万博の前後に卒業。昨今ほどではなかったものの、万博景気のおかげで就職戦線は売手市場。ほとんどが希望の企業に就職し、過去のこだわりをかなぐり捨て、希望を持って職場に就いたものだ。
あれから月日が経ち、私も後期高齢者の仲間入り。とりとめのない独り言をつづってしまいましたが、人生100年目指して頑張り続けたいと思っています。





