東近江市遺族会が市へ要望書
【東近江】 全国的に戦没者遺族会の会員の高齢化に伴って会員数が減少し、戦没者を慰霊する忠魂碑の維持管理が困難になっている問題で、東近江市遺族会の正副会長らが昨年12月26日市役所を訪れ、市内各地の忠魂碑(慰霊塔)について行政による維持管理を求める市長と市議会議長宛ての要望書を提出した。
会員の高齢化で維持困難
戦争の悲惨さ、平和の尊さの継承
要望書では、「本年10月には、市遺族会湖東支部が会員の高齢化と減少で役員のなり手不足や事業活動が困難であることを理由として市遺族会から退会されました。市内各支部の遺族会も、いずれも会員の高齢化により活動を続けることが困難な状況となりつつあり大きな曲がり角に来ております。こうした深刻な問題の克服のためには、遺族会による自助努力だけでは限界にきており、行政の直接的な取り組みが不可欠となっております」と、困難な現状を訴えた。
これを踏まえ、「東近江市遺族会各支部で毎年行っている慰(忠)霊塔・忠魂碑の『維持管理』を、市行政が一括して『維持管理』を行っていただきますようお願いいたします」と求めている。
同市遺族会によると、会員の平均年齢は84歳で、減少する会員数が今後上向くことはない。また、同市遺族会の支部の一つである御園地区遺族会(75人)では昨年夏にアンケート(回収率85・3%)を行ったところ、半数弱の会員が「辞めたい」(31人、48・4%)と回答した。今後の忠霊塔の維持管理については、「東近江市に返還」(34人、53・1%)が最も多かった。
遺族会のあり方の記述では「これまでと同じ活動を続けて行けると思わない」が多かった。遺族会が戦争や平和について正面から向き合い、遺族会の活動を「平和のための県民活動・市民活動」と昇華させていくべきとの提案もあった。これについて同会は、「戦後80年を迎え、遺族会や忠霊塔のありかたを真剣に考える時に来ている」とし、機運の高まりを訴える。
東近江市遺族会の平井康博会長(82)は要望書の提出後、「戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継いできた慰霊塔は大切な施設だが、遺族会は高齢化しており、今後の維持管理は行政に助けてもらわないと立ち行かなくなる」と、窮状を話していた。
県内で慰霊塔を一括管理する取り組みは、米原市では市内12基の忠霊塔・忠魂碑を市民全体による平和祈念のシンボル施設「平和の礎」として統合し、さらに忠霊塔・忠魂碑は公費で解体している。また、守山市は平和記念碑(仮称)の制作が進められており、高島市も検討している。








