【東近江】 湖東平野の南西に位置する雪野山(標高308・8メートル)にある岩場が全国から熱い視線を集めている。その名も「ドラゴン道場」。腕に覚えのある県内外のクライマーたちの姿が毎日のように見え、この巨石に立ち向かっている。一方、岩場を生かした地域の活性化や魅力発信も同時に進められている。ドラゴン道場の名付けの親、雪野山クライミングクラブ代表の石原真さんは「利用者と地元住民との交流が地域の活性、また里山の整備につながっていけば」と話す。(古澤和也)
蒲生スマートインターから車で数分のところにある駐車場、暁の広場(東近江市上羽田町)から山道を20分歩くと、木々の隙間から高さ10メートルほどの岩場の列が目の前に広がる。岩場は約7千万年前の火山活動により形成された硬く変化に富んだ岩「湖東流紋岩」でできており、その存在は地元でもあまり知られていない。手足を使って岩場を登るクライミングにとっては理想的な地形が広がっている。
2008年、クライミング経験のある石原さんが山歩き中に見つけた。「アクセスもよく、こんな好立地なところにクライミングに適した秀逸な岩は国内にいくつもない」。これまで全国のクライミングスポットを巡ってきた石原さんにとっても偶然の産物だったという。それ以降、仲間内で利用していると、口コミやSNSを通じて多くのクライマーが訪れるようになった。
課題と言われる岩場の登攀(とうはん)ルートは全部で約80課題あるといい、初心者から上級者までが楽しめる。交流や憩いの場にもなればと、岩場近くの広場には間伐材などを利用した休憩スペースも設備した。そこで音楽イベントなども開かれたりと、親子連れの姿も多い。
里山保全や地域の
活力創出に期待
昨年3月、岩場の活用や保全などを目的に雪野山クライミングクラブが立ち上げられた。現在はトレイル教室の開催や雪野山の自然資源の活用を目指す地元の平田地区まちづくり協議会とともに、東近江三方よし基金の助成事業「東近江の森と人をつなぐあかね基金」を利用し、岩場や周辺広場を利用した地域の魅力発信や磨き上げにと、整備や活用方法に取り組んでいる。
また、昨年11月にはクライミングの体験をはじめ、古墳群が広がる雪野山歴史公園の広場を利用したキャンプやフリーマーケットなどを融合した交流会も開き、地域住民との新たな交流も生まれた。
同協議会事務局長の森井源藏さんは「クライミングなどを通して地域内外の人が交流し、関係人口を増やすことでつながりを生むことができたら。手探りではあるが、高齢化で人口減少が進む地域の活力になり、活性化の一助にしていきたい」と思いを話す。
徒歩でも簡単に登れる岩場の上からは平田地区から鈴鹿山系、琵琶湖までが一望できる眺望もあり、トレッキングとしても楽しめる。より広く親しんでもらえるようマナーも注意深く呼びかけている。
石原さんは「登るだけでなく眺めるだけ、見て触って楽しむだけでもいい。さまざまな角度から自然の面白さに魅力を感じてもらえれば」と話す。
※注・ドラゴン道場がある岩場は整備などのため現在は封鎖中。最新情報はインスタグラムの同クラブ公式(YUKINOYAMA_CLIMINGCLUB)を参考。
※追記
クライマーの皆様
2024年12月31日をもって岩場(通称ドラゴン道場)への入山、利用が当分の間禁止となりましたことをご報告致します。
岩場への利用者が予想以上に増加し、今後予期せぬ事案が発生することが考えられます。
岩場を所有する地権者様や周辺地域の皆様が、岩場での安全面の不安、増加する利用者への不安、住民生活圏での車両通行増加による安全面の不安が大きくなる前に立ち止まる判断を下しました。
今後、当クラブでは地域の皆様の御理解を得られるよう取り組んでまいりますので、引き続き御理解と御協力をお願いいたします。
平田地区まちづくり協議会
雪野山クライミングクラブ
現時点まで問題になる事案はありません。逆に多くの皆様との良い交流が創出されていました。
今後、地域住民の方々とクライマー双方にとってこの岩場が活かされるよう、関係各位と連携を深めて再開に向け検討して行きたいと考えています。
雪野山クライミングクラブ
代表 石原真













