びわリハ大 発! 心理・社会的ストレスによる腰痛
2024年4月1日、九州栄養福祉大学から鹿児島医療福祉専門学校を経て、びわこリハビリテーション専門職大学リハビリテーション学部理学療法学科に着任いたしました。わたしの理学療法士としての生涯研究テーマは疾病・外傷予防であり、なかでも腰痛予防についてはこれまでに研究に力を注いできました。人類の80%が一生のうち一度は腰痛を経験すると言われており、厚生労働省の2022年度国民生活基礎調査では、疾病や外傷でなんらかの自覚症状を訴えている者の有訴率は男性・女性ともに第1位が腰痛となっています。しかしそのうち、X線やMRIといった精密検査を行っても異常所見がみられない、いわゆる非特異的腰痛が腰痛の大半を占めます。そして、この非特異的腰痛の中には本来ならさほど強く感じない腰痛が、心理・社会的ストレスによって増幅される患者が存在します。このような患者は痛覚変調性腰痛(心因性腰痛)として、治療を難渋させています。また、痛覚変調性腰痛はうつ状態やヒステリーなども原因になり、その場合は疼痛が慢性的に続いたり、疼痛部位が移動したりする(不定愁訴)こともあります。ところが、このような心理・社会的ストレスを原因として発症した腰痛を呈する患者に対する治療サポート体制は日本ではまだまだ十分には確立していない状況です。なぜなら心因性腰痛の評価、治療には整形外科、心療内科、リハビリテーション科の垣根を超えた連携が大変重要になるからです。そして、そのなかでもリハビリテーション専門職としての理学療法士、作業療法士の関わりは重要です。これまではどちらかといえば精神・心理学の教育体制が不十分であった理学療法士も教育の充実が図られることが今後、望まれます。また、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、ソーシャルワーカー、公認心理師、精神保健福祉士などの各職種が多職種連携を強固にしていかなければならないと思われます。
びわこリハビリテーション専門職大学
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