国政刻刻 お米の問題について
新米が店頭に並び、ようやく落ち着きをみせた米の品薄問題ですが、本当に米は不足しているのでしょうか。現在国内で1年間に消費される主食用米の需要量は約680万トンで、ひと月あたりに直すと約57万トンです。本年6月末の民間在庫量は約155万トンで昨年より40万トンも減少しましたが、決して在庫がなくなったわけではなく、やや過剰な反応だったといえます。
ではなぜ今年は店頭から米が一時的にでもなくなったのでしょうか。原因はいくつかありますが、まずは昨年新潟や東北地方などの米どころで高温や水不足などの影響により不作だったことが挙げられます。加えて家庭用の需要回復やインバウンド等の外食需要増が拍車をかけました。そこに宮崎県の地震による南海トラフ地震への対応が呼びかけられたことで、店頭からお米が一気に消えました。テレビの情報番組等で「お米がなくなった」というニュースが流されると消費者の皆さんが一気に店頭に押しかけ、さらにお米が不足するという悪循環に陥りました。
米の品薄はほぼ解消されましたが、販売価格は大幅にあがりました。以前の価格水準に戻ることはありません。理由は生産コストの上昇です。肥料代や燃料費、人件費等の高騰により農家は近年ずっと赤字続きでした。今回の品薄をきっかけに販売価格は上昇しましたが、農家にとって再生産可能な利益が確保できるかどうかはわかりません。それほど農業の経営環境は厳しく、農家は減少の一途をたどっています。
昨年まで茶碗1杯のご飯の価格はわずか25円でした。菓子パンやペットボトルの価格と比較しても、茶碗1杯40円でもご飯はけっして高くはありません。私たちが適正価格で買い求めなければ、これからも美味しいお米がいつでも手に入るとは限りません。米農家へのご理解をよろしくお願い申し上げます。






