県政NOW 「伊吹山における土砂災害対策について」
米原市の伊吹地区では今年7月に発生した3度の土砂災害で家屋や道路に土砂が流れ込むという被害が発生しました。あらためて被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。県や米原市では国土交通省のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)の助言をいただきながら応急措置を含めて住民の皆さんの不安を解消すべく努力していただいているところですが、これから本格的な台風シーズンを迎えるにあたり多くの県民の皆さんもご心配されているところです。
今回の土砂災害はこれまでの土砂災害とは違ってニホンジカによる食害が災害の主な原因と考えられています。
伊吹山は石灰岩質であり、南側5合目から8合目にかけては地質が脆弱なうえにシカによる低木などへの食害が問題となっていました。そして植生が失われた場所では集中豪雨などで表土が流失して洗掘(せんくつ)を繰り返しながら土砂を流失しているという状況です。
こうした状況を踏まえて県や米原市では再発防止のため農林省に土砂災害対策実施への総合的な支援を求めるとともに、環境省には自然再生事業に対する交付金による支援やニホンジカの有害鳥獣捕獲のための財政支援などを求めています。
まさに縦割りでなく国土交通省、農林水産省、環境省など横断的な対応がなければ伊吹山の土砂災害対策は実現しないということです。
こうした状況は伊吹山だけでなく、ニホンジカをはじめとする獣害対策は県土全体の大きな課題となっています。私が居住している地域でも農地の獣害対策で追われたイノシシが宅地の近くまで姿を現している状況で、子どもさんなどへの被害が発生しないかと心配しています。
また、地球温暖化などによって、線状降水帯の発生などかつて経験しなかった自然現象にも見舞われて、様々な水害が発生しています。
開発が進む都市部では雨水などが行き場を失い、大規模な浸水被害が発生し、先日も東京で豪雨による大きな浸水被害が発生しました。そして、今まで森林や農地が発揮していた保水能力が徐々に失われていることに危機感を覚えます。
自然の猛威は様々な形で想定を超える災害を引き起こし、私たちの生活に甚大な影響を及ぼしています。今回の伊吹山のようにいくつかの複合的な原因による災害が滋賀県の他の地域でも発生するおそれがないのか今一度点検する必要があります。
私たちは今こそ自然の力とともに共生しながら地球温暖化や二酸化炭素削減など環境問題解決のために1人1人が日常生活でできることを着実に実践しなければいけません。






