県政NOW 「エッセンシャルワーカーの処遇改善について」
社会に不可欠な仕事を担う人をエッセンシャルワーカーといいますが、コロナ禍において多くの制限を受ける私たちの生活を下支えしていただいたのがエッセンシャルワーカーの皆さんでした。コロナが2類から5類に変更された今でも誰もが有り難いと感じています。しかしながら、日本のエッセンシャルワーカーの処遇が悪い状況が今も続いています。そして、介護や保育という分野を中心にエッセンシャルワーカーが働いている業界では人手不足が深刻化しています。
こうした状況を打開するためにはエッセンシャルワーカーの皆さんの労働条件を向上させ、社会全体でその仕事に見合った正しい評価をすることが必要です。
筑波大学の田中洋子名誉教授が編著された「エッセシャルワーカー、社会に不可欠な仕事なのに、何故安く使われるのか」の中でこれらの原因を3点指摘されています。1点目は日本の雇用の中で人べらしと賃金抑制、それに基づいた長時間労働・サービス残業が日常化したこと。2点目は非正規雇用の拡大。今すべての働く人の4割近くが非正規雇用で、またすべての働く女性の6割近くが非正規といわれています。3点目は下請け・委託関係では市場の強者が現場を買いたたくことにより低収入の仕事が増加したことがあげられています。
こうした中で介護や保育、教育といった公共サービスの分野でも非正規化が進み、多くの分野で処遇が悪いことが問題となっています。介護保険制度では2024年に訪問介護の報酬がさらに引き下げられ、業務委託・請負・アウトソーシングといわれる分野では市場の強者が好き勝手しているのではないかと思わざるを得ない状況があります。
こうした状況への対策としてあげられるのが、県では「滋賀県が締結する契約に関する条例」の積極活用であり、国では公正取引委員会が進める「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」です。
ともに制度を通して公務員、非公務員に関わらず現場で働くいわゆるエッセンシャルワーカーといわれる方々の賃金を確保しようとするものです。
公正取引委員会では昨今の資材高騰や賃金引き上げ分を中小事業者が価格に転嫁できるように市場の強者に働きかけるものであり、また県条例はダンピング受注などが行われないように公契約の適正な価格見積もりを確保しようとするものです。
こうした取り組みの中で社会に不可欠な仕事に従事する方々の処遇改善にこれからも努めて参ります。






