大杉副知事「文化交流の視点を」
【近江八幡、東近江】 県の「幻の安土城」復元プロジェクトと「安土山図屏風(びょうぶ)」を演題にした講演会が近江八幡市であり、安土山図屏風の調査について協力を求めるためローマ教皇庁(バチカン)を訪問し、「ハイレベルの協力」の確約を得た大杉住子副知事と、安土城調査に関して県参事員の木戸雅寿氏が登壇した。
「幻の安土城」復元プロジェクトの調査・整備
木戸参事員「築城450年を目標に成果を」
同プロジェクトは、謎に包まれた実像を明らかにし、目に見える形で復元することで、その価値や魅力を広く発信し、地域の活性化を図るもの。
城跡の調査・整備を円滑に進めるため、昨年5月、滋賀県と地元自治体(東近江市、近江八幡市)、土地の所有者であるそう見寺が覚書を締結し、いよいよ本格的にスタートした。
また、安土山図屏風は、織田信長が狩野永徳に安土城と城下町を描かせたものとされ、当時のローマ教皇に贈られてから行方不明のままとなっている。
講演の中で大杉副知事は、バチカンは長い歴史をもち、調査すべき個所が多岐にわたることから、「(探索は)息の長い取り組みになる」と見通しを語った。
さらにバチカンと長く深い交流を続けるため、「国際文化交流の視点を大切にしないといけない」と述べ、一例として西洋世界に関心を示した信長の思いや、安土城下に建てられた日本最初の神学校「セミナリオ」などの文化的価値を挙げた。
県の取り組みとしては、バチカンに調査の協力を継続して求めるとともに、国際的な研究者グループ「安土図屏風探索ネットワーク」を支援する姿勢を示した。
続いて講演した県参事員の木戸氏は、多くの学者が手探りで天主の復元図に挑んできた歴史を紹介し、「安土山図屏風は復元の切り札と考えてよい」と語った。
県が復元に本腰を入れる「幻の安土城」復元プロジェクトについては、「2026年の築城450年を目標の一つにして何か成果を上げたい」と述べた。
なお、特別史跡安土城跡では昨秋から、20年にわたる調査・整備事業である「令和の大調査」が始まっており、初年度の23年度は、秀吉政権によって意図的に城を破壊したと思われる「破城」の痕跡が天主台東面でみつかった。







