近江八幡市の今井さん ATM操作の高齢夫婦に声かけ
【近江八幡】近江八幡署は15日、特殊詐欺の被害を防止したとして近江八幡在住で県内の病院事務員、今井元斗さん(27)に感謝状を贈った。
同署によると、1月30日午後5時半ごろ、今井さんが同市内の銀行のATMに立ち寄ったところ、横に並んだ高齢夫婦が、携帯電話をかけながらATMを操作しているのに気づいた。電話での不審なやり取りから特殊詐欺ではと直感。勇気を出して「大丈夫ですか。何かお困りですか」と声をかけた。
すると、高齢夫婦は「年金機構から5年間の過払い金の返金(28400円)がある。還付するが本日が締め切りで、通帳とキャッシュカードを持ってATMに行って下さい」との電話があったと話し、連絡先の電話番号のメモも見せられたので今井さんは、よく聞く還付金詐欺と確信し、ATMに備え付けの電話から銀行に連絡するよう促した。銀行からは「騙されないよう警察に相談された方がいいですよ」と返事があったため、夫婦は操作を中断し、被害に遭うことはなかった。ATMの操作を指示していた犯人側からの電話は、途中で切れた。
夫婦の会話から特殊詐欺を確信した今井さんは、夫婦に声をかけようか迷い、一旦、車まで戻りかけたが、父親に今起こっていることを携帯電話で伝えた。父親からは「声をかけるのなら、今やで」との進言を受け、勇気を出して声をかけたという。
夫妻は翌日、同署を訪れ、前日に特殊詐欺の被害に遭いそうになったことを説明し、今井さんに感謝を伝えた。
感謝状を贈られた今井さんは「ご夫婦が、私の声かけに素直に応じていただいたことも、被害防止に結びついた。私も不審電話を受けた経験がありますので、すぐに詐欺ではと思いました。被害に遭われなくてよかったです」と話した。
田尾知仁署長は「銀行員やコンビニの店員さんにこうした感謝状を贈ったことはあるが、一般市民に贈ることは珍しい。勇気を出してもらったことが被害防止につながった。ありがとうございます」と感謝した。
県内の警察署が一般人に感謝状を贈るのは、今年度初めてで、珍しいケースと話している。同署の特殊詐欺被害防止の感謝状は今回で9件目。







